企業事例 富士酸素工業株式会社



 会社概要

設立   1948年(創業1922年)

従業員数 約90名

本社   静岡県富士市津田221-1

事業内容 ガス販売(工業用、食品用、医療用及び一般家庭用LPガス)、供給保安サービス、溶接材料・作業工具・産業機器等の販売



バックオフィスの社員もスペシャリストを目指そう
-能動的に資格を取る社員を評価-

富士酸素工業株式会社は、静岡県東部を主要エリアとして各種ガス及び関連機器を販売している。富士市に本社と工場を構えるほか、沼津支店、御殿場営業所を拠点に、地域に密着して事業を展開している。
事業内容としては、製造業向けの工業用ガス・溶接機や切断機等のガスを用いる機器と医療機関向けの医療用酸素や液体窒素等を扱うガス溶材部門と、家庭や飲食店等に向けたLPガス及びガスコンロや給湯器、キッチン等の住宅設備を扱うLP部門がある。
ビジキャリ導入を主導した経営企画部の山田教生部長にお話を伺った。

幅広い分野と受験の利便性が魅力で導入

ビジキャリについてはどのようにお知りになったのでしょうか。
山田 資格についてリサーチしていて、たまたまネット検索で見つけた感じですね。いろいろな幅広い分野の種類が網羅されているという点や地元で受けられるという点が魅力でしたし、職場の能力を高めるためにとてもいいのではないかということで、コストの面も含めて社長に相談したところ、推奨しようということになりました。
社内で推奨する前の段階で、私は営業や経営戦略の2級、1級などを個人的に受けていたんですが、非常に難しくて結果は散々でした。それでかえって挑戦しがいがあるなと思ったんです。

バックオフィスの社員へも資格取得を推奨できる

御社ではビジキャリを制度としてどのように位置づけていますか。
山田 基本的には全社的に取得を推奨していて、受験料2回までの全額補助とテキスト代の支援もしています。合格者は昇格の対象にすることにしています。資格を能動的に取得する人を評価するべきだということが根本としてありますね。
社員の自己申告票というものがあるんですが、その中の「今後取りたい資格は何ですか」という項目にビジキャリの選択肢を設け、選択した人に個別に勧めたりしています。中には社長から直接取るよう言われたりする人もいますね。
ビジキャリを導入されての効果などをお感じになることはありますか。
山田 社内で資格取得制度が設けられていて、基本的な資格の取得が勧められています。ガス関係の会社ですから、ガスを販売したり充塡するための資格など取らないといけないものがありますし、結構難しいので、どうしてもそちらが優先される面はあるかもしれません。でも資格取得の推奨の幅が増えたことによって、現場側の人間と同じくバックオフィスの社員もスペシャリストを目指そう、という方向につながっているので、「頑張らなきゃ」という効果があると思っています。バックオフィスの仕事ではガスの資格が必要であるわけではないので、全社的に考えると、ただガスのことだけ覚えていればいい、というように思わなくなってきているのではないでしょうか。

ビジキャリをチャレンジの機会に

山田 私自身はビジキャリのテキストが日々の参考書のようになっていて、見直したりもするんですが、みんなにも常々勉強していってほしいという気持ちはありますね。会社の共用棚に置いてある私のテキストは、使い込んでもうボロボロになっています。自分は経営企画なのでいろいろな部署に関わり、人事、営業、企画など含めて話をします。その際に、例えば数字の目標をこのように立てて、こういうミッションでこういう計画でこういうふうに動いていきましょうと企画を立てる、そうするとやっぱり現場からは「人が足りない」とか「人を採用しなきゃいけない」みたいな声が上がってくるわけです。それで、うちのPL(損益計算書)を見せて「販管費がこれだけかかって営業利益が出ていないんですよ、ということは販管費が多いということですよね、ということは人件費を増やすことには慎重にならなくてはいけないんです」と。そのように数字、ロジックで話をするための知識が得られたということは非常に感じます。
今後についてはどのようにお考えになっていますか。
山田 まだ取得者があまり多くないので、そこはもっと増やしていきたい。そしてビジキャリの資格を取ることで自信がついて、もっと難しい資格にチャレンジできるような形になってほしいですね。
ビジキャリは良い資格だと思いますし、今後とも社内で広めていくとともに私自身が引き続きチャレンジしていきたいと思っています。


 ビジネス・キャリア合格者に聞きました

<描いたキャリアプランへの後押しに>
2020年2月に労務管理3級、同10月に2級に合格しました。幸いいずれも1回で合格できました。
試験2~3カ月くらい前から毎日帰宅後就寝までの1時間程度を使って勉強していました。テキストをひととおり読み込み、後はひたすら過去問を解いてそこで自分がわからなかった問題についてテキストでその部分を確認するということを繰り返しましたね。
受験したのは私自身がその分野に実務で携わっていた時期ではなく、知識がほとんどない状態から取り組んだので、かなり難しいと感じた部分もありました。
もともと自分のキャリアプランとしてバックオフィスの仕事を考えていて、当時の上司の山田のアドバイスもあり労務管理3級を取ったんですが、そのことも後押しとなって希望に沿う形で労務管理などを担う今の部署に配属されることになりました。それで続けて2級を受験しました。
現在は労使協定書を作成して労働基準監督署に提出したり、勤怠管理システムの整備・運用をしたりといった仕事に携わっていますが、ビジキャリの勉強をして知識を得たことで自分の声を社内の制度として反映しやすくなっていると思いますし、実務にも生きています。現場でどんどん活用できるようにしていきたいですね。
今後もより働きやすい職場のための社内制度の整備等に取り組んで、この業務で着実にキャリアアップしたいと考えています。いずれはビジキャリの経理関係の取得というのも視野に入っているところです。


※掲載内容は取材当時(令和4年)のものです。

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