企業事例 株式会社南雲製作所



 会社概要

設立   1958年

従業員数 107名(2021年4月1日現在)

本社   新潟県上越市三和区野5823-1(主力工場)

事業内容 精密金型設計製作、精密金型部品加工



評価に組み込んで社員のモチベーションをアップ
-技能検定とともにビジキャリを制度化-

株式会社南雲製作所は新潟県上越市に拠点を置く、従業員約100人のメーカー。主に精密金型の設計製作を行っている。超高精度加工に対応するための設備投資を積極的に行うとともに、製品の品質向上に求められる高度な技能を重視し技能者に資格取得を推奨している。もともと現場で活用していた技能検定と同じように、ホワイトカラー職にビジネス・キャリアを導入した。同社総務部主務の沢田光男氏にお話をうかがった。

技能系の技能検定に対してホワイトカラーにビジキャリを

どのようなきっかけでビジキャリを導入されたのでしょうか。
沢田 弊社は製造業なので、もともと技能検定にはずっと取り組んでいました。それで付き合いのあった県の職業能力開発協会からのお知らせでビジキャリのことを知りました。ホワイトカラー職にはこのようなものがある、と。20年以上前だと思います。会社としてもこれはいいなということで、受験するようにと推奨したのが始まりですね。
ビジキャリを導入された目的はどのようなところでしょうか。
沢田 社員の自己啓発ですね。技能系に技能検定があるように、ホワイトカラー職でも資格を取ってほしいんです。それで、合格者には3級・2級それぞれ手当も付くように制度化してモチベーションアップにつなげています。受験料は自己負担ですが、受かれば給与、賞与に反映されるので年間だとかなりの違いが出てきます。
技能検定についてはだいぶ前から手当が付いていたので、少し不公平感もあったような気がしますね。事務系にもそうしたものがあればやる気も出るだろうと。技能検定とともにビジネス・キャリア検定の取得という文言を盛り込んで制度として人事考課に組み込んだわけです。昇格・昇給等の評価の参考にもしていますので、とても役立っています。
技能検定、ビジキャリ検定とも自社の食堂に合格者の名前を掲示したりもしていますね。

社内でかなり根付いている感じですね。合格されている分野も生産管理、営業、総務、ロジスティクス、経営情報システム、人事・人材開発、マーケティング、経理など幅広いですね。
沢田 そうですね。事務系社員はそれぞれの業務に応じて受験の分野も多岐にわたっています。実を言いますと、大企業と違って例えば総務部の中に人事、経理、庶務、法務などすべてが入っていて、業務が幅広く多様です。人事部、経理部と分かれておらず、一つのことができればいいというわけではなくていろいろとできなくてはいけないので、「多能工化」というのが合い言葉になっている感じですね。
今取り組んでいるのは「スキルマップ」というもので、やらないといけない業務を縦軸に入れて社員を横軸に入れて誰が何をできるというのがわかるように印を付けていっています。すべての社員が何でもできるなどということは実際にはありえませんが、なるべくできることを増やしていく。ビジキャリでも一人の社員が複数の分野を受けて知識や業務能力を広げ、高めていく、ということですね。今では製造部門にも波及し、多い時には30名を超える社員が受験するようになりました。
社員の方々はビジキャリをどのように捉えていらっしゃいますか。
沢田 あらたまって聞いたことはないですが、社員にとっては「受けなきゃいけない」という使命感のようなものはあるかもしれないですね。でも自分の実力を測るのにかなり有効だと感じているのではないかと思います。3級に受かった人は2級に挑戦したり、まったく別の分野にも挑戦しています。人間成長するという向上心が芽生えてきました。

社員のモチベーションアップと評価の基準に

導入の効果という点ではいかがでしょうか。
沢田 先ほども申し上げましたが、従業員のモチベーションにつながりますし、会社も評価の基準の一つとして利用できます。漠然とした評価ではなく客観的な指標に基づいた評価ができる。結果として会社の力になり、会社が成長できる、ということです。半年前から準備して勉強することでスキルアップになっていると思いますね。もちろん受かるに越したことはないんですけれども、もし不合格になったとしても半年間勉強したという事実は残るじゃないですか。われわれはその過程も見ていますので。
ビジキャリ試験実施認定施設制度 も活用されていますね。
沢田 以前は個人個人で外部の試験会場に行って受験していたんですが、従業員からみんなバラバラに遠くの会場まで行くのが大変だという声もありましたし、ある程度受験者数も増えてきたので、平成25年にビジキャリ試験実施認定施設に認定していただき、自社で試験を実施できるようになりました。
※ビジキャリ試験実施認定施設制度
企業などで、その所属する従業員などの受験希望者に対して自らの施設において試験を実施することを希望する施設(1試験回ごとの受験者数が1施設あたり概ね10名以上見込まれること)が、中央職業能力開発協会から認定を受けることによって、試験実施認定施設として自施設において試験を実施することができる制度。詳細はこちらをご参照ください。
今後ビジキャリに期待することはありますか。
沢田 分野や試験区分、内容等について、企業側の意見を聞いてもらえたりするといいかなと思います。
私ども中小企業の普段の業務では使わないような言葉、内容が出てきたりする問題も中にはありますね。大企業向けというか、深く専門的な部分。実務でわれわれはそこまでやってないということですが、それが悪いというわけではない。知ってて悪いということはないですからね。大方はいい問題になっていると思います。
今後も活用していくつもりですので、引き続き時代に即した検定試験として発展していってほしいと思います。


 ビジネス・キャリア合格者に聞きました

<自己啓発での具体的な目標の一つ>
総務3級と経理(簿記・財務諸表)3級に合格しました。幸い一度で合格できました。
全社的に社員が自分の目標を持つとか学び続けるという方針があるんですが、それを実際に行動で示すのにちょうどいいのがこのビジネス・キャリア検定だと思います。社内で受けられるというのもありますし、合格すると手当が付くので取り組みやすく、若手は結構自然に気軽な感じで受けていますね。
試験対策としては、標準テキストを一通り読んだんですがなかなか頭に入ってこなくて、あとはずっと過去問題を解いて勉強しました。土日が中心でしたが、試験が近づくと子どもを寝かしつけて夜中にやったりもしました。
例えば総務といっても幅が広いので、知らなかった知識が多く、やってよかったなという実感がありました。これが2級になると相当勉強しないと難しいだろうという印象ですが、チャレンジできたらとは思います。他の分野の3級を受けることも考えたいですね。


※掲載内容は取材当時(令和3年)のものです。

ページの先頭へ