JAVADA情報マガジン6月号 フロントライン-キャリア開発の最前線-
◆2015年6月号◆
今、キャリア・コンサルティング現場の就労希望者の実情とキャリア・コンサルタントの課題〜若者サポートステーション(通称:サポステ)等の現場から〜 |
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特定非営利活動法人こうべユースネット 若者自立・就労支援事業部 |
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はじめに5月号では、サポステ等の現場から見えてきた"今"の若年相談者の実情「既卒4年目以降の20代の未内定者の実情および企業とキャリア・コンサルタントの課題について」書かせて頂きましたが、今月号では、「サポステ等の現場から見えてきた"今"の若年相談者の実情~30代の未内定者の実情およびキャリア・コンサルタントの課題~」を書かせて頂きます。これから就労支援に携わりたいと思われている支援者の方々や現在、若者支援に携わっている方々の一助になれば幸いに思います。
"今"の若年相談者の実情 - 30代の未内定者の実情 -サポステ等の就労支援機関を利用する概ね、30代の相談者の就職に関しての現場を相談者の、内面的側面、環境的側面、の2方向から述べさせて頂きます。
(1)"今"の若年相談者の実情 - 30代の未内定者の実情 -① 内面的側面就労できず長引くブランクのために、更に自信と希望を失ってしまい、社会に出ることは怖いし、今更社会に出たいと思えない、だからといってこのままでは良くないと思い焦る若者の気持ちは、周りが考えるより深刻な問題です。また、就労経験のある相談者でも「前職場での傷つき体験」からなかなか回復できずに、働き出せばまた同じことが起こるのでは...と想像しただけで身動きが取れなくなり、就職活動が出来ない、または活動を辞めてしまうこともあるようです。身近に同年代の友人が働いている場合に「取り残され感」を強く抱き、自ら孤立していくケースをよくみます。家族へは、自分の不安定な気持ちを様々な行動として表現します。(例えば自罰的・他罰的、依存的)この年代の未就労者には心の問題も根深く、精神科や心療内科の受診のタイミングが大切となる場合があると思います。今のままではいけないとは思いつつ、どうしたらいいのか分からないために一歩が踏み出せない若者は、なにか大きな「きっかけ」がなければ自分から動き出すことが出来ないようです。
② 環境的側面相談者の親世代が定年を迎える歳となり、経済的不安や、親亡き後の子どもの行く末の不安から、親の焦り感が強くなり、子どもにキャリア・コンサルティングを受けることを勧める親が多いように感じます。親からの問い合わせや相談も多く見られますし、中には親が子どもである30代の相談者を連れて来る場合もよくあります。今まで働かないことを大目に見てくれていた両親の態度が変わってしまい、30代の相談者は面食らっているようですが、親に背中を押されたことがきっかけとなり、一歩を踏み出せた事も事実です。
(2)30代の未内定者へのキャリア・コンサルタントの課題は何か相談者の個人差もありますが、うまく就職が決まらない未内定には、さまざまな彼らの状態が考えられます。キャリア・コンサルタントは、相談者の状態に合った方策が実行できるよう、彼らをより理解する筆者の分類としまして、以下の「型」を目安にする方法も一助になればと思っています。 ![]() 〔注釈〕詳しくは、先月号をお読みください。 *1) 第1回(4月号)「サポステ等の現場から見えてきた"今"の若年相談者の実情(1) 学卒3年以内の未内定者の実情および企業とキャリア・コンサルタントの課題」 *2) 第2回(5月号):サポステ等の現場から見えてきた"今"の若年相談者の実情(2) 概ね卒業3目以降の20代の未内定者の実情および企業とキャリア・コンサルタントの課題 目の前にいる相談者の訴えのみにとらわれず、学卒以降から現在までの様々な内的、外的の積み残し課題のコアがどこにあるのかを、相談者との信頼関係のもとで詳しく話しを聴いて理解していくことが必要だと思います。そのためには、若年層の心理と行動の特徴と、キャリア発達上の課題をキャリア・コンサルタントの考え方と支援のよりどころとして面談を行っていくとよいと思います。さらに、30代の未内定者は、それ以前の年代の未内定者(上図)に比べて、心理的傷つき体験の程度が高いことが伺えます。その上、就職活動のプロセスの中で更に傷つくことが予測されます。履歴書作成の一場面のなかでも傷つくことがあります。書面の中で明らかなブランクを見てショックを受けることや「長所が見つからない」などに傷つくこともあります。面接場面で企業の方からの質問に上手く答えられず傷つき、不採用となると更に傷つきます。傷つきが大きすぎると「自分にはやっぱり無理だったのだ」と衝動的に就職活動自体を辞めてしまうこともあります。このような状況においてキャリア・コンサルタントは、彼らの心情をより共感的に、受容的に理解しコンサルティングのプロセスを歩んでいくことが求められます。
参考・引用:
写真提供:NPO法人こうべユースネット
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