JAVADA情報マガジン8月号 フロントライン-キャリア開発の最前線-
◆2013年8月号◆
キャリア相談のありかたをスタイルでとらえる(1) |
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HRDファシリテーションズ 代表 大関 義勝 氏 《プロフィール》 |
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【概要】キャリア相談の対応の仕方には正解や決まり手がないために、相談員は、毎回様々な事情・状況を抱えるクライエントと対峙する中で、"このクライエントのこの状況ではこの対応方法がよいだろう"と考え、グットよりベター、ベターよりベストをめざして対応している。 キャリア・コンサルティングにおいて、個別専門知識を学習することは大切ではあるが、一方でクライエントへの態度や接し方は、それを学ぶ機会が少ない。したがって体験から学ぶことになるのだが、それが次の面談に活かすためのロジックがはっきりしていない。 そこでこの報文では、“キャリア・コンサルティングの形は状況によって変えるべきではないか”という当たり前のことについて、「どういう場合にどう対応すべきか」を図解し、日々の面談に意識していただくことを願うものである。 第1回は、キャリア・コンサルティングの態度は状況によって変わるはずという前振り について解説する。
1.聴ききれ! / いや指導に切り替えろ!キャリア・コンサルティングは“相談に応じる”ことからしてカウンセリングの態度を基盤において対応している。そして、カウンセリングの基本はクライエントの話を傾聴し、共感的理解をすることにある‥‥と習っているはずだ。ところがキャリア相談の場合は、聴いてあげて共感してあげればことが済むことばかりではないために、しばしば実務家の間で「指示的あるいは示唆的(指摘)に切り替えるべきである」、いや、やはり「傾聴と共感的理解を踏襲することで自ら解決するよう進めるべきである」という二元論の議論が対立しがちとなる。これはそのキャリア・コンサルタントがどのような学習プロセスを経てきたか、どのような成功・失敗体験をしているかなどによって意見が分かれるところであり、結果として「見解の相違」として平行線のまま終わることがしばしばある。 キャリア・コンサルティング分野の学習では、キャリア・コンサルティングの6分野(自己理解・職業理解・啓発的経験・カウンセリング・意思決定支援・フォローアップ)に関わるキャリア諸理論、カウンセリング技法、労働市場などの様々なことを扱うが、実は“いまここにいるクライエント”に対してどのような態度で接したらよいかは教えきれていない。それは個人の経験に委ねられているか、グループによるケース研究、またはスーパービジョンなどによって体験的に習得していくのが現状であるが、そのような機会が頻繁にあるわけではないのが現状である。 かつて、社会心理学者のクルト・レヴィン(Kurt. Lewin 1890-1947)は、社会(組織)の中で個人がとる態度(B)はその人のパーソナリティ(P)とおかれている環境(E)の相互作用で形成されるとして、 B=f(P・E)という式でその概念を示した(fは関数)。 この式をキャリア・コンサルタントに当てはめると、キャリア・コンサルタントのクライエントに対する態度(B)は、キャリア・コンサルタント自身のパーソナリティ(P)とおかれている環境(E)の相互作用で変化するはず(または変化するべき)とする概念があってよいだろう。 この式のうち、パーソナリティ(P)は変えることが難しいとすれば、同じクライエントへの対応においても、環境(E)が変わればキャリア・コンサルタントのクライエントに接する態度は変容するはず、あるいは変容するべきであると考えられる。また、同じ状況でも、キャリア・コンサルタントが変われば違うやり方になり得るということになる。 そしてキャリア・コンサルタントがおかれている環境として挙げられることは、
......といった様々な状況があげられる。 キャリア・コンサルタントは自分の利き腕を理解しているとはいえ、時としてそれが固定的なパターンとなり、まずかった原因をクライエントに求めるかもしれない。その意味で状況的アプローチへの理解は、キャリア・コンサルティングの適合性と効果性を向上させることに役立つと考える。
2.やさしく寄り添うスタイルを心掛けているキャリア・コンサルタントの
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