JAVADA情報マガジン5月号 フロントライン-キャリア開発の最前線-
◆2016年5月号◆
第二回 キャリアコンサルで、会社を強くするには? 実施のメリットとデメリット |
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キャリアカウンセラー、ファイナンシャルプランナー、調理師、自動車整備士 |
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本題に入る前に、先日ちょっとしたサプライズがありましたので、その話を掲載させていただきます。 先日、とあるキャリアコンサルタントの研修に参加させていただいた際に、その会場に木村 周 先生がご登壇のため、ご参加されていらっしゃいました。 ![]() その際に、先生より、私の職業をご質問いただきましたので零細会社の経営に携わっていることをお伝えしますと、サインの前に一言お言葉を入れていただけました。 ![]() (セミナー会場にて、木村 周 先生(右)と共に - (左)大野) 私の感覚の中では、経営とは、もちろんお客様を見ることで、お客様のニーズや、社会の経済状況なども把握し勘案することも大変重要と考えていますが、それとともに、その立案されたサービス(業務)を提供するのは、そこに集まる人々であり、その中でも働く人々は大変重要なポジションだと考えています。 木村 周 先生に、大変ありがたいお言葉をいただけたこと、そして、掲載をご快諾いただけたことに、感謝の意を記載させていただきます。
冒頭から、少々予定のテーマとは逸れていましましたが、本題のメリット、デメリットに戻って記載していきたいと思います。 実際に従業員の相談を受けていくと、当然自社にとってデメリットのある話も出てきます。 「従業員の待遇UPをすること」は、あなたの会社では、どうお考えになりますでしょうか? 従業員の待遇UPをすること = 会社のデメリット な感覚でしょうか? 言い換えてみますと、 従業員の待遇up(従業員のメリット) = 経費up、利益率down(会社のデメリット) となるかと思います。 確かに、そうなりやすい状況が多いと思います。このことは、ある意味事実です。 しかしよく考えてみると、日常でも会社は、相手に提供する条件と会社の利益の背反二律の関係を、お客様との間で、行っていると思うのです。 「お客様のリピートを得るために、もしくは、よい口コミを得るために(つまり顧客満足度(CS)を高く維持する活動)、お客様へのより良いサービスを提供する必要がある。しかし、過剰なサービス(低価格路線を含む)は、会社の利益を下げてしまう(場合によっては赤字も生んでしまうことも)。かといって、価格に対してサービスの質を低下させると、一件辺りの利益率は高くなるが、結局、顧客は離れ、命取りである。 ゆえに、「可能な限り、良質なサービスを適正な利益率の中で、提供する。」 同じ内容の文章を、従業員との関係に書き換えてみると 過剰な従業員へのサービス(高待遇)は、会社の利益を下げてしまう。 だから、従業員満足度も顧客満足度と同様に必要なことで、 ゆえに、「可能な限り、良質なサービスを適正な利益率の中で提供する必要がある。」 とは考えられないでしょうか? では、どうやって経費上昇を抑えながら、従業員の満足度をあげるのか? 当社のケースで振り返えってみますと、相談を進める中で、当然自社にとってデメリットのある話も出てきます。 前号でも記載いたしましたが、当社の社員は一定期間住み込みとして来てもらう方が大勢おりますので、ストレス発散の場として、楽しい会話を提供する場ととらえています。 昔は、この手のことは、上司と部下が無礼講で飲みに行くといった活動から得ていたのかもしれませんが(当社の形態は、現在でもむしろこの形に近いのかもしれません)、今は、こういった活動が、嫌がられる傾向にあることは私も認識しています。 重要なポイントは、「上司はむしろ聞き役であり、いかに部下を楽しませるか」と言うことにポイントを置くかどうかで決まると考えています。 そんな中から、機会をとらえて、キャリアコンサルティングの場へと切り換えていくことを行っています。当人の悩みに対して、気づきのある、会話と情報(や考え方のアドバイス)を提供していく、と言うプロセスへと進めます。 この段階での話は、自社にとってデメリットのある話もきちっと伝えることが重要と考えています。 わかりやすいところで、例えば給与体系に(具体的には金額)に悩んでいたとします。 ただ伝えるのではなく、その周辺の話、価値観、なども含めながら、自分はこれから何がしたくて、当社の何が嫌で、何が好きなのかを丁寧に聞き取ります。 そして、他社のメリット・デメリット等の情報も提供しつつ、当社の何が嫌で、何に困っていて、何がよい点(メリット)なのか、当社で継続して働くためにはどのような問題が解決してほしいのか、などを把握していきます。 デメリットと共にメリットもしっかり理解してくれた従業員は、モチベーションを落とさずに、問題点を乗り越える力を発揮してくれやすいと感じています。 デメリットも隠さず本人に提示して、メリットを共に考えて貰う。 結果として、キャリアコンサルティングを行う事は、当社で働き続けることの、メリットとデメリットを認識してもらい、当人の人生プランと考え併せてもらう、そのうえで、不都合な点をよく話し合い、会社も可能な範囲で対応したり話し合ったりすると、従業員と会社のお互いの関係が強くなり、一部不都合も発生するが、結果として、良い効果を生みやすくなる。 人を使う上での、モチベーションを保つための考え方として心理学で出てくる、ハーズバーグの二要因論、マクレガーのX,Y理論、マズローの欲求五段階説などがありますが、各理論は理解できるものの、実際にその各段階を、全従業員各自へ的確に、分析し提供することは、通常は会社側、上司側がそのメリットポイントを予測して行うわけですが、的確に提供することは難しいのが事実です。会社側が一生懸命考え、条件を提供しても、本人の欲しいポイントとずれていれば、この努力は徒労となってしまいます。 従業員が働くために必要としているポイントが一体なにであるのか?を、明確化と共有化できる、つまり相手にとって適切な解決法を、相手の価値観の中から引き出していると言えるのではないでしょうか? ところで、ここまでお気づき頂けると思うのですが、先にも記載したとおり、当社でのキャリアコンサルティングは、一般的なキャリアコンサルティングのFormatと違う形のものです。一般的な会社で行うに当たっては、かなりの変更を要すると考えます。
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