JAVADA情報マガジン1月号 フロントライン-キャリア開発の最前線-
◆2015年1月号◆
キャリア・コンサルティング普及への取り組み~私の描く対人援助者の将来像~ |
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株式会社ASキャリア 代表取締役 瀬谷 俊宏 氏 《プロフィール》 |
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はじめに今月号と次月号の2回に渡って、私の実践経験から考える「キャリア・コンサルティング普及のための課題」について、述べさせて頂くことにする。私よりも多くの実践経験とキャリア・コンサルティングの造詣の深い皆様やこれから実践経験を積んでいかれる皆様が、私のような考えと取り組みをしていることを知って頂き、温かく見守って頂けると幸いである。
(1)キャリア・コンサルティングの現状についてキャリア・コンサルタント養成講座(現標準レベルキャリア・コンサルタント養成講座)が開始されて約10年が経つ。その間、キャリア・コンサルティングは、国・公的機関や民間企業、非営利活動法人等の並々ならぬ努力の下、一定の認知度を得ることができたと思う。
(2)キャリア・コンサルタントの身分保証についてキャリア・コンサルティング技能士(国家資格)が登場した昨今、キャリア・コンサルティングを通じて、相談者の自立・自律を援助できる技能の高い技能士を輩出することは、とても意味があると思う。しかし、その一方で、キャリア・コンサルタントの資格が、歴史のある国家資格(特に、広く対人援助専門職;医師や司法試験等)と同じ位の必要な技能を持ち合わせているかと言われれば、まだまだ発展途上だと思える。私としては、技能は到底足元にも及ばないと自分自身を鼓舞して、より一層の努力をしていこうと誓っている。他のキャリア・コンサルタントの皆様の中にも、私と同じように感じている方も少なくないのではないだろうか。現行の制度の下、私は最も信頼のおける、また、私にはない人間的魅力と技能やセンスを兼ね備えた(本人は控え目であり、そのようには言っていないが)ビジネスパートナーとともに、法人(株式会社ASキャリア)を設立した。法人設立は、私たち自身の技能や人間的魅力の飽くなき探求でもある。
(3)キャリア・コンサルタントの雇用環境について先述の報告書の通り、キャリア・コンサルタントの雇用環境は決していいとは言えない。勿論、キャリア・コンサルタントが皆一様に『キャリア・コンサルタント資格』で正規雇用を望んでいるわけではない。自分のライフスタイルに合った働き方が何よりも大切であると思う。 ![]() 出所:株式会社ASキャリア
(4)法人設立はチャレンジ私と同じ志しを持つビジネスパートナーと法人を設立したが、日本中で最も小さい企業であるが、志は日本一でありたいと思う。設立時から今尚も、困難な船出をしている。その過程でさまざまなものを失ってきたが、それ以上に得たものは大きかった。それは、私たちを支えてくれる多くの方々であり、感謝してもし過ぎることはない。私たちのチャレンジが本当に正しいのか?と道に迷った時、彼らの支えでどうにかここまでやって来れた。つくづく人との繋がりは大切だと実感している。特に古今堂氏(現公益法人財団法人関西カウンセリングセンター理事長)との出会いは、一生のものだと思っている。私がキャリア・コンサルタントとして、ヒヨッコだった頃、古今堂氏は事務局長補佐だった。当時の私たちは、目的は違えども、「今を良しとしない」という思いで相通じてきた。そして、「今日よりも明日、明日よりも明後日・・・」というように、両者それぞれのやり方で毎日を積み重ねてきた。今思えば、本当に猪突猛進だったと恥ずかしい限りである。私たちがASキャリアを設立した初期、関西カウンセリングセンターは、私たちを信じて、全国キャリア支援フォーラムへの惜しみないご尽力だけでははなく、さまざまな講座の開講の支援をして下さった。その恩返しは今日まで続いており、半分もできていないことに些かお恥ずかしい限りである。そして、益々のキャリア・コンサルタントの社会的普及のため、来年早々にキャリア・コンサルタント養成講座に変革をもたらすプロジェクト議論を積み重ねてきた甲斐があって、最終段階に来ている(乙ご期待ください)。この新たな取り組みが、キャリア・コンサルティング業界の拡がりになればということを切に願って、古今堂理事長と竹腰事務局長補佐と共に具体的進めている。私は、キャリア・コンサルティング業界の普及のためには、「リスクを恐れず、まずやってみる」という関西カウンセリングセンターの両氏の発想と「出来ないと憂えるのではなく、行動を起こす」という私たち法人の考え方が相当符合していると思う。両氏との関係を通して、ビジネスにおいても深い信頼関係が大切だとあらめて実感している。 ![]()
文献・写真;
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