ものづくり基盤強化

木製の「家具」を製作する技能。

木製家具を上手にしかも能率的に製作する技能を競います。私達になじみ深い木製の家具は、たんすや書棚のように板材が主体の「箱物類」と、机や椅子のように角材が主体の「脚物類」に大別されます。例えば、たんすや書棚は箱部・引き出し部・扉部、机は甲板・脚部・引き出し部、椅子は脚部と座のほか背板やひじ掛けなどで構成されています。箱物類と脚物類では、構成部材や加工機械・工具が少し異なりますが、基本的な技術と技能はほぼ同じです。

第45回技能五輪 優秀作品

いつまでも愛される、確かな製品づくりのために。熟練の技で、課題に挑む。

競技では、「木づくり」から「仕上がり調整」に至る一連の工程を12時間以内（標準時間11時間30分）に完了し、課題のSide Cabinet を完成します。課題は、脚部、箱部、扉部、および引き出し部により構成され、箱物類と脚物類の両要素が組み込まれています。個々の選手がどの部材から手がけ、どのような手順で工作するかが、ひとつのポイントです。加工に使用する主な機械は、丸のこ盤（2種類）、角のみ盤、卓上ボール盤、電動ドリル、電動ルータまたは電動トリマ、並びに電動溝切機（ジョイントカッタ）です。このうち一部の機械は、全選手が交代で使用するので、手待ちが生じない作業の段取りも重要です。

木のぬくもりに癒される。

私達の身のまわりには、さまざまな木製家具があります。ストレスの多い現代社会では、木の肌ざわりや木目模様が人の心を癒します。「家具」職種は、木の性質や加工方法についての知識と技術を活用して、「ものづくり」の腕前（技能）を試します。そこには木の特徴を活かし、お客様に喜んでもらえる製品作りに向けた、創造の楽しみと完成時の喜びがあります。

第45回技能五輪大会競技風景

これからも、人々に愛される製品づくりのために。

家具製作の技術と技能は、日々進歩しています。この大会の課題には、従来からの加工技術に加えて、最新の接合方法や機器も採用しています。各種の家具作りに対応するには、新しい優れた技術を進んで取り入れる意欲が必要です。人の心を癒し環境にもやさしい木製家具は、これからも人々に愛され続けるでしょう。私達家具職人は、そのための製品作りに日々努力し進歩します。