ものづくり基盤強化

職種紹介

優れた建築の仕上げ部門として。

建築の仕上げ部門として、建物の装飾性や耐久性を高める重要な役割を果たしている「左官」。その歴史は古く、日本はもとより世界中でその技術が使われていたことは、壁画や建造物など現存する多くの遺跡が物語っています。その後「左官」工事は時代とともに専門化され、工法や材料も試行を繰り返しながら進歩し、その装飾性、耐久性に加え環境衛生にも優れた技術へとさらなる発展を遂げ、今日に至っています。「左官」職種はこれからも、快適で美しい居住空間に貢献しつづけます。
第45回技能五輪 優秀作品
第45回技能五輪 優秀作品

競技のポイント

より美しく快適な居住空間のために。ひと塗りひと塗りに、技術を込める。

競技は、2日間の11時間で課題図に示されたモールディングと又は、石膏置引きと壁を仕上げることにより、その技能や作品の出来映えを競います。西洋的スタイルの中にも日本の昔からある塗壁を用い立体的で重厚感を出す為に、各置引きとも肉厚で凹凸をはっきりさせ、シンプルな雰囲気になっています。左官は技術だけではいいものは作れません。感性が何より大切です。その感性を見るべく、選手の創造性を養う為に正面壁の内側に健康を意識した珪藻土を使用した自由課題としました。仕上げ材料は健康と環境にやさしい珪藻土と石灰、天然土を組み合わせた健康壁材です。ポイントは2つで、焼き石膏の置引きはガラスのように滑らかなこととレリーフの角はどれもカミソリの刃のように鋭いことです。そして、寸法を重視しています。

魅力

居住快適性を高める技能者の喜び。

日本における「左官」工事は、その装飾性はもとより、耐久性、居住快適性を高める技術として普及し発展してきました。そして今日、自然素材を使用している塗り壁は、吸放湿性・断熱性・保温性・脱臭性・防火性など幾多の優れた機能に富むことから、昨今の建築仕上げには欠かせません。また、人の暮らしに健康を提案できる職種として「左官」の魅力も増大しています。
第45回技能五輪大会競技風景
第45回技能五輪大会競技風景

将来性

環境意識の高まり、住環境への期待。

「左官」は、壁を塗ることにより建物の呼吸性を高められるほか、建物の装飾的な意義も大きく、よりよい住環境づくりに不可欠の技能です。最近は環境意識の高まりにより、健康を害さない塗り壁の優秀性が見直されています。より健康的で快適な住環境のためにも、今後ますます自然素材を主成分とする塗壁が見直される中、重要な技能として「左官」技能者への期待が高まっています。

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