ものづくり基盤強化

職種紹介

電子回路を設計・試作しテストする。

パソコンなどのコンピュータをはじめ、今や大半の工業製品には電子機器が組み込まれているといっても過言ではありません。電子機器は、抵抗・コンデンサー素子などを集積したメモリ素子やマイクロプロセッサ素子等の集積回路(IC)の、種々の電子部品をプリント配線板に実装した電子回路を中心に構成されています。この職種の「技」は、ただ単に電子機器の図面などの設計図にもとづき、忠実に「物」として組み立てることに止まりません。その「技」には、技術者が設計したものに対し、その試作過程での軽微な機能・製造上の障害発見や改善・改修の能力が求められます。二年おきに開催される技能五輪国際大会では、このような多彩なスキルを競う競技内容で構成されています。国内の技能五輪全国大会においても、1998年の「ぐんま大会」から国際大会の競技内容に沿った競技内容で実施しています。
第45回技能五輪 優秀作品
第45回技能五輪 優秀作品

競技のポイント

高度に集積した知識と緻密な技能で、未来への可能性に挑戦する。

電子機器組立て職種の競技は、職種名が「電子機器組立て」であることから、電子機器という物を組立てるスキルを競う競技であるという印象を持たれていると思います。聡明期においては、確かに「電子機器を組み立てるスキル」を競う競技でした。しかし近年は、「電子回路の設計・解析、回路図作成や基板設計、組立て、測定、障害解析・修理や改修」といった電子機器の設計・試作作業や製品製造過程で求められる多彩なスキルを競う競技となっています。10時間30分という限られた時間内で、このような多彩なスキルを競います。

魅力

まさに現代に生きる、知識と技能の集積。

世界をリードする身近なIT端末として用いられている日本の携帯電話機やIT化が進む自動車など。ますます小型・軽量化や高機能・高性能化が進むこれらのツールは、電子技術の活用が不可欠となっています。まさに情報化社会といわれる現在の社会の基盤を支えている電子技術。その電子技術の活用を支えるこの職種は、電子機器という「ものをつくる」ことをとおして現在社会に貢献できることは、この職種のやりがいであり大きな魅力です。
第45回技能五輪大会競技風景
第45回技能五輪大会競技風景

将来性

忠実な組立てから、的確な解析・改修へ。

電子技術を活用し、これを電子機器や電子装置として具現化するには、回路図などの設計図に基づいて"物"として組立てるスキルだけでなく、技術者が設計した"もの"に対し、この試作過程での機能・構造上の問題発見と改修・改善に関わるスキル、機能・性能などの評価に求められる測定スキルや電気・電子回路理論に基づく回路解析スキルなど、設計部門と製造部門の橋渡しを担う人材を育成する職域の職種として、ますますその活躍の場を広げています。

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