ものづくり基盤強化

配管は、ライフラインをつなぐ技。

安全で快適な生活を営むためには、上・下水道、給・排水、衛生、空調、冷暖房などの設備は不可欠です。「配管技能者」は、こうした大切なライフラインを支える重要な役割を担っています。住宅、超高層ビル、地下街など、私たちが日頃何気なく出入りするところには必ず「配管技能者」の施工した配管設備が、目に見えないところで活躍しています。「配管技能者」とは「給排水衛生設備、空気調和設備、冷暖房設備、消火設備等に各種配管材料を使用して水、油、ガス、水蒸気などを送配するための設備を設置する工事を行う技能者」であり、全ての市民の生活に直結した仕事を行っています。

第45回技能五輪 優秀作品

国際大会を視野に! 壁取り付け組み立て課題に挑戦する。

作業内容を、見る人からもより分かりやすく、また、実務に即した課題を目的に、壁取り付け組み立てとなっています。この競技課題は、競技開始直前にはじめて公表されます。また、課題は配管施工技能の基本となる次の8点にポイントをおいて作成されています。

• 図面を正しく読み取ること、全体を確実に把握できること。
• 管の切断、管の切り口の処理、ねじ加工が適切であること。
• 図面の指定寸法どおりに管の曲げ工作ができ、その際、曲がり部分につぶれやひだができないこと。
• 管を加熱し、接合または曲げ加工をする場合の加熱の程度が適切であること。
• 継手類と管の接合に際して、接着剤やハンダの使い方が適量であること。また、接合する継手類への差込長さを適確に判断できること。
• 配管が他の配管を越える場合、指定寸法どおり的確な処理ができること。
• 支給された管材料の切断を誤り、作品の完成に不足が生じたりしないよう、判断が確実であること。
• その他、出来上がった作品全体の出来具合、水漏れ等のない事なども重要な要素です。

安全快適な生活環境を支える誇り。

「配管」という職種の魅力は、管を切る、つなぐといった人の手を使った技能に加え、それぞれ施工条件の違う建物の図面を読み取る知的な要素が必要で、身体と頭脳の両方を使って"ものづくり"を行う、やりがいのある仕事です。超高層ビル、病院、学校、研究所、工場、ホテル、マンション、住宅など自分が「配管技能者」として携わった建物は多くの人に快適さを与えるとともに、形として永く残ります。

第45回技能五輪大会競技風景

新たな展望を開く、環境にやさしい新システム。

配管施工は、ビルや住居などの建築物に、言うなれば血管を巡らせるという重要な役割を担う職種です。知識と技能の鍛練が、安全で快適な生活の為に役立ちます。これからの建築分野においては、ますます環境に配慮した新しいシステムが普及していくでしょうが、配管は建築物にとって不可欠な技能職種として、将来への展望が開けています。