ものづくり基盤強化

職種紹介

金属の板で、ものをつくる技法。

金属板でものを形作る板金技法は、鋳物、鋳造と並び古くから人類に貢献してきた金属の加工法のひとつ。現在では、航空機、自動車、鉄道車両、家電製品、玩具、装飾品など、広く生活に浸透しています。「曲げ板金」は、平面の板材から、立体の製品を製作する一連の作業で、材料の選択、展開けがき作業に始まり、切る、叩く、曲げる、つなぐという、工業製品の製作に最低限必要とされる広範囲な作業内容が含まれており、幅広い知識と高い技能が要求されます。
第45回技能五輪 優秀作品
第45回技能五輪 優秀作品

競技のポイント

鍛えあげた曲げの技法と溶接の技能で、難しい課題に挑む。

今回の課題は、4部品から成り立っており、それぞれが異なった曲げ及び板金加工の要素をもった部材となっています。
  • 寸法精度を上げるため、板金展開図がいかに正確に描けるか。
  • 曲げ部材の形状、特に直または曲となる面及び折れ線をいかに正確に成形できるか。
  • 寸法精度を上げるため、いかに部材の組み合わせ順序を行うか。
  • 寸法精度を上げるため、溶接の方向及び順序等、溶接熱による歪みに対する処置をいかに行うか。

魅力

難易度の高い製品づくりの達成感と充実感。

板金加工でものを製作する際、ラインによる大量生産の製品を別とすれば、試作品、特注品の製作は手作業となります。このため作業者の技術力に委ねられる部分が多く、難易度の高い製品、前例のない製品をつくり上げるには、作業者の創意工夫と蓄積された技術、経験、感性が必要です。これらを集結して依頼者の求めていた製品を生み出したときの、達成感、充実感は板金技能者の大きな喜びであり魅力でもあります。
第45回技能五輪大会競技風景
第45回技能五輪大会競技風景

将来性

個性的な製品のニーズが、手の技能を求める。

近年は、大量生産・大量消費から少量生産へ、また個性的・独創的な製品へと消費者の意識が変化しています。こうした変化に対応するには機械加工だけでは製作できないものもあり、必然的に手作業による板金加工技術の分野が拡大され、優秀な技能者もますます必要とされています。

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