ものづくり基盤強化

職種紹介

自動車車体外板を手加工により成形する。

自動車車体外板は、専用のプレス金型によって大量生産されています。しかし、モーターショーに出品するショーモデル車や、量産前の試作車、クラシックカーの復元などは専用金型に頼ることができません。そのため、手加工を主体とした「自動車板金」の技能が必要になります。この職種では、金属板材から自動車車体の一部をモデル化した複雑曲面の部品を手加工により成形します。
第45回技能五輪 優秀作品
第45回技能五輪 優秀作品

競技のポイント

鋼板から美しい曲面を形成する。魅力的な車体の造形。

今回の課題は、乗用車前方のボンネット・フェンダー・タイヤハウス部を一体としたイメージの製品を平鋼板からすべて手加工で成形し、その寸法精度・形状精度・表面仕上げの綺麗さを競います。 課題は、本体上面ボンネット部のラインの通り、絞り比のあるフェンダー部さらにきびしい張り出し成形を必要とするタイヤハウス部のある本体と、2つの丸穴形状のバーリング部を持つ側板から構成されています。本体ならびに側板と成形難度の高い形状となっています。これら平鋼板から別々に成形し、溶接によって組立て仕上げます。

魅力

憧れの高級車の第一号試作車を作り出す。

「自動車板金」職種の魅力、それは1枚の鋼板を素材として、それを美しい曲面や複雑な形状などに成形し、この世で唯一の車体をつくれることです。しかも、それを板金ハンマーや木ハンマーなどのプリミティブな工具を使って手作業で実現することです。鍛えられた知と技によって、華々しいショーモデルはもとより、量産前の新型モデルの試作、カスタムカー(特別仕様車)、クラシックカーの復元、事故車の修理まで、あらゆる車体成形の要望に応えられます。
第45回技能五輪大会競技風景
第45回技能五輪大会競技風景

将来性

自動車だけでなく、金属板材の造形美がある限り。

素敵なデザインの車は人々を魅了させます。重厚なデザインから華麗な流線形まで、人々の個性や時代とともに自動車のデザインは変化します。「自動車板金」での立体成形技術は、自動車に限らず、あらゆる工業製品の試作、建築装飾、芸術にまで広く通じるものです。人々の個性が多様化し、美しい形をした個性ある製品が求められる時代ほど、この技術は発揮されます。

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