ものづくり基盤強化

職種紹介

ものづくりの原点。

「木型」はものづくりの原点です。この技術は、江戸時代の末期、船舶鋳造の金型加工用モデルに始まり、様々な技術の変遷を経て今日に至ります。近年では"型"の多様化により、鋳造用に限らず、加工用モデル、デザインモデル、計測用治具など多岐に活用され、その素材も、厳しい寸法精度やNC加工などに対応するために、天然木材のほか、合成木材や合成樹脂、また金属との併用も盛んです。
第45回技能五輪 優秀作品
第45回技能五輪 優秀作品

競技のポイント

木目を読み、道具を選び、0.1mmの寸法精度を刻む。

競技は2日間の計11.5時間で鋳造部品の「木型」を製作するのが課題。加工の全工程を手作業にて行い、完成された模型の寸法精度は±0.1mmを争います。課題には「図面の解読」「木材の性質」「鋳造用方案」「道具の扱いと技能」「木型製作に関わる総合知識」など多くの要素が含まれています。ポイントは、特に寸法精度および巾木の形状、大きさ、R面の正確さ。「木型」製作の成形技能はもとより、素材の材質知識、そして後加工、後処理まで考慮し完成させなければなりません。

魅力

自らの手や知恵が、製品づくりに生きる。

木は生きています。「木型」は、呼吸するその木の歪みを最小限に押さえ、寸法精度0.1mmの成形を実現する繊細な技術です。そして、かんな、のこぎり、のみなどの道具へのこだわり。「木型」はNC化の進む今日にあってなお、人の手と知恵と感性の生かせる魅力あふれる職種です。自らのつくる「木型」から、さまざまな製品が世に生まれます。まさにものづくりの原点を担う大切な技能として、大いなる魅力に満ちているのです。
第45回技能五輪大会競技風景
第45回技能五輪大会競技風景

将来性

技能は"模型制作"として、さらなる広がりへ。

文久3年(1863)、幕府海軍の長崎・横須賀の各造船所における、オランダ人技術者の指導による鋳造が始まりとされる日本の「木型」技術。その後、歴史とともに進化する機器や技術、新素材の開発や応用などにより、着実に進歩してきました。今日、その広がりは"模型制作"技術と総称され、あらゆるものづくりを担う原点として、今後ますますの発展が期待されています。

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