ものづくり基盤強化

職種紹介

金属の接合は、ものづくりの基幹技術。

金属を接合する技術は、古代エジプトの王冠やわが国の日本刀の製作にも使われました。その後、溶接技術として発展し、第二次世界大戦では、船舶の建造期間短縮のため、急速に進歩しました。今日、ものづくりの基幹技術としてあらゆる工業製品の製作を支えています。溶接技術は自動車・鉄道車両・発電設備・橋梁・ビル建築物そして家電製品などのあらゆる製品に使われています。
第45回技能五輪 優秀作品
第45回技能五輪 優秀作品

競技のポイント

材料物性及び溶接技術を理解し作品を製作します。

5時間20分の競技時間内に電気的な放電現象を利用し作品を製作します。以下の5つの課題があります。

ティグアーク溶接による

  • アルミニウム合金の組立て品及び
  • ステンレス鋼の組立て品、半自動アーク溶接による軟鋼の
  • 立向突合せ試験片の製作及び
  • 横向突合せ試験片の製作、
  • 被覆アーク溶接による軟鋼圧力容器の製作、です。
寸法精度、作品外観、X透過試験結果、製品強度そして作業時間が評価対象になります。図面の読解能力、溶接施工能力そして欠陥の無い健全な溶接部を得るための技術・技能が必要になり、溶接に関する総合的能力が判断されます。

魅力

鍛え抜かれ卓越した技能技術が製品に命を宿す。

金属に熱を加えると素材は膨張し、冷えると収縮します。これが溶接後の製品に変形(ひずみ)が生じる理由です。溶接を用いた製品の寸法精度を高く維持することは非常に難しい課題です。しかし、金属の性質・溶接理論を知り、経験を重ねることによって精度・品質を向上させることが可能になります。それを達成させる技術・技能を得るためには、絶え間ない日々の努力と勤勉で謙虚な姿勢が必要です。鍛え抜かれた卓越した能力こそが優れた溶接結果をもたらします。より良い結果を目指す隙のない真剣な作業は感動的勇姿です。
第45回技能五輪大会競技風景
第45回技能五輪大会競技風景

将来性

新世紀のものづくりを担い、資源リサイクルを促進する。

大量生産・大量消費の反省から、今日では資源のリサイクルに配慮した少量・多品種の製品作りが求められています。エネルギー価格が上昇の一途をたどる近年、リサイクル性に富む金属を接合し製品を作ることができる溶接技術は、時代の要望に応えることができる重要な技術であると思われます。ものづくりの製作手段として、その重要性がますます増していくものと考えられます。

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