ものづくり基盤強化

職種紹介

鋼に自由な形と機能を与える一つ一つの技に、技能の最高水準を追求。

鋼構造物は、建築物・機械設備・モニュメント・プラント・橋梁・海洋構造物・造船・原子力施設等に採用され、将来は宇宙構造物にも採用されると予想されます。「構造物鉄工」とは、人々が求める構造物の目的・形状・材質の特性に応じて図面で要求された品質の鋼構造物を製作する技能です。設計の意図を読み、鋼に現図を描き、切断、孔加工、曲げ加工、溶接などを行い完成させます。製品にはmm単位の厳しい精度が求められ、最高水準の技能が要求されます。「ものづくり」の技の追求により、さらなる発展した製品への道が開けてきます。鋼構造物の品質を保証できる技、鋼構造物の多様化へ可能性の広がるすばらしい職種です。
第45回技能五輪 優秀作品
第45回技能五輪 優秀作品

競技のポイント

「鍛えた技で鋼に自由な形と機能を与え、社会の求める鋼構造物作品を創出」。

競技課題の図面・仕様書に従い、鋼板、平鋼、丸鋼、山形鋼、鋼管などの素材を用いて、2日間・・・(競技時間10時間)の与えられた時間内で、鋼構造競技課題を完成させます。競技課題は小型構造物化して、以下の技能要素を求め審査を行います。

競技課題に対する審査は、
  • 図面読解・現図・ケガキ作業
  • ガス切断
  • 孔加工
  • 曲げ加工
  • 仕上げ
  • 組立て・溶接
  • 機能確認    です。
競技のポイントは、完成品の寸法精度、切断面や溶接外観、組立調整、製作時間、機能確認、競技態度、安全、作品の美しさ、などです。
第39回技能五輪国際大会 金メダル作品
第39回技能五輪国際大会 金メダル作品

魅力

「社会を支える鋼構造物、鋼は環境にやさしく貢献」。

図面を読み現図をケガく、指定された寸法精度にガス切断、孔加工、溶接、組立てを行う技。3000度の切断炎、8000度の溶融接合。「構造物鉄工」は、スケールの大きい構造体ながら、mm単位の精度が要求されます。一つ一つの技の鍛練により、鋼は要求された品質通りの製品として完成し、有用な魅力ある造形物となり人々に大きな喜びを与えています。
第45回技能五輪大会競技風景
第45回技能五輪大会競技風景

将来性

「構造物鉄工」の技は世界最高レベルであることを、世界大会で実証。

海外の追い上げを考えると技の維持・向上は大変なことです。鋼構造物は小さな構造物から大型構造物まで要求に応じて製作され、「ものづくり」の基盤を支える技です。産業機械における製品も、現場での据付け、組立てにおいて誤差のない精度が確保されることで精密かつ高性能を発揮し稼働します。製品の改良・改善には、高い水準を維持した技の持ち主の頭脳と鍛錬された技が不可欠です。これからも「構造物鉄工」の技は「ものづくり」の重要な基盤として発展してゆきます。

ページの先頭へ