ものづくり基盤強化

図面の優劣が製品価値の80%を決める。

人間がDNA情報をもとに形成されるように、自動車やロボットなどの工業製品は図面から製作されます。この図面を描く競技が「機械製図」です。図面には、品物の形状や寸法はもちろんのこと、加工方法や寸法精度など、製品に関するあらゆる情報が含まれています。"図面の良し悪しが製品の価値の80%を決定する"といわれるほど、機械製図の重要性は極めて大きいのです。

第45回技能五輪 優秀作品

コンピュータ・グラフィックスを駆使して新製品を創造する。

機械製図職種はコンピュータ・グラフィックス（CAD）を用いて機械の設計図（図面）から部品図を製作したり、実際の機械部品を測定して3次元で表現する競技です。競技は2課題あり、両課題とも競技開始まで秘密です。素人にとってはまるでジグソーパズルを解くような難解な課題ですが、競技選手は限られた時間で、この難解なパズルを解いていきます。この競技では、いわゆる"イメージ脳"といわれる右脳の能力差が、立体形状の認識力の差となって現れることです。2次元の課題を3次元へ、また3次元の物体を2次元で表現できる柔軟な能力が問われます。

コンピュータを駆使して、魅力ある製品を創る。

図面を描くための約束は、世界共通です。今日では、インターネットを利用して図面が送られ、世界中で図面どおりの製品が作られています。機械製図の魅力は、設計者が描いたイメージを実際の形にして見せることができることです。そしてそれが実際の製品となって流通するとは、なんとエキサイティングな仕事でしょう。

第45回技能五輪大会競技風景

人類が待ち望んでいる製品をつくる。

機械製図は、知的で創造性のある仕事です。何しろ、これまで誰も見たことがない製品を作ろうとしているのですから・・・。地球環境の悪化を防ぐための温暖化防止装置、介護ロボット、水素燃料自動車など、人類が生存する上で待ち望まれている製品は無数にあります。これら魅力ある製品は、図面から誕生します。