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皆様、新年おめでとうございます。
2011年がスタートしました。
初心を忘れず、新たな気持ちで今年もまた試行錯誤を続けていきたいと思っております。
前回は「中年期の危機」について私なりの考えを書きつづらせていただきました。そこではレビンソンのライフサイクルを引用しましたが、同じように、エリク・H・エリクソンはライフサイクルを8段階に分けて示しました。エリクソンは社会的に達成すべき発達段階という観点から発達をとらえ、それぞれの段階に獲得すべき課題があるとしました。エリクソンが示した中年期の課題は「世代性 対 停滞」で、次の世代を育てることへの積極的な関与を意味しています。この課題を獲得できなければ、停滞してしまい、前回お伝えしたキャリア・プラトーに陥る危険があります。今まで積み重ねてきた自分の経験を次の世代の人たちに役立て、次世代を育てていく役割を担うことで、自分の新たな存在価値に気づけるのだと思います。
42歳で私がキャリアを振り返って悩んだとき、こんな考え方を知っていたら、自分の役割は、新たな役割に変わるんだと受け入れられたかもしれません。そして、受け入れることによって、「組織の中で自分の新たな役割をどのように築いていくのか」を探すこともできたのかもしれません。転職や起業する以外に、自分が中年期を迎えて、組織の中で次に自分がやるべきことを見つけられたら、「あんなに悩まなかったんじゃないかな?」、「違う選択肢もあったんじゃないかな?」とこの理論を知ったとき考えました。
自分の選択が良いとか悪いとかではありません。より広い視野でいろんな選択肢の中から「自分がどの道を選ぶのか」を考える機会があったら、より多くの可能性を見つけられたのではないかと思うのです。皆さまの企業でも中年期を迎えている方たちが、さまざまな選択肢から何を選んでいくのかを考えられる環境をつくっていけたら、自律的なキャリア形成につながるのではないでしょうか?
そんな想いから「中年期のキャリア再構築」についての研修やメンタリングプログラム導入のコンサルティングを企業向けにおこなっています。今回はその導入事例について、ご紹介していきたいと思います。
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