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筆者が長年読んでいる月刊誌「致知」(致知出版社)に、以前、次のような投稿が載っていた。(抜粋)
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昭和○○年○月、仕事先のデパートで火災を起こし、警察や消防署で何回か事情聴取を受け、この仕事をやるには「危険物取り扱い主任者」やその他の資格が必要だったことを始めて知った。
その日から会社全体で仕事の合間をぬって、資格試験の勉強を開始し、翌年は15人の社員全員が資格を取った。
私は、その後も一年に1つずつ資格試験に挑戦し、合格していった。日中は会社の仕事が忙しいので早朝勉強に切り替え78の資格を有するまでになった。社員もそれに刺激され、資格取得に挑戦してきたことはもちろん、会議や打ち合わせでも多角的意見が活発に飛び交うようになった。
おかげで会社も社員数が15人から650人程に増え、平均すると社員は一人5つ以上の資格をもち、会社としても531の特許をもつに至り、増収増益を重ねてきている。 云々
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この例などはまさにキャリア・アップの重要性を認識し、全社的な組織風土にまで高めていったケースである。もちろん、資格を取るだけがキャリア・アップではないことは言うまでもない。
「将来組織の中枢の仕事をさせたい」と思う社員には、数年おきに企画、総務、経理、現場等の各種職務を経験させることで、キャリア・アップを試みる企業は少なくない。しかし、キャリア・アップが必要であるのはある一部の社員に限ったことではない。会社は、社員一人ひとりのキャリア・アップの重要性を認識し、社員は自分自身のキャリア・アップの意識を持ち、個人と組織両者の成長に取り組むことが重要である。そして、『物事を一面だけで見ないで多面的にみる。枝葉末節にとらわれず根本的に考察をする』ことができるような人間に育てていく組織風土を築いていってほしいものである。
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