| ◆「勇気づけ面接会」
教職員や企業人事担当者による模擬面接が、就職指導の一環として実施されることが多い。デモンストレーション形式ならば、模擬面接が壇上で行われ、立ち居振る舞いや言葉遣いなどについて、「良い例」、「悪い例」などが演じられる。また、参加形式なら、壇上で学生が実際に面接を体験する。このように形式は異なるが、いずれにしても面接官が学生の「できていないところ」「悪かったところ」を指摘し、それを改善することで成果を引き出そうとするものである。
しかし、立ち居振る舞いや言葉遣いなどについて、学生の面接内容を肯定的に、あるいは否定的に評価することは同じである。うまくできた学生からは、良い成果も期待できるだろう。しかし、うまくできなかった学生は、駄目な自分をさらけ出し、できていないところを指摘され、しまいには落ち込んでしまうことも少なくない。また、もともと自信が無い学生は、益々自信を失って「本来の自分」が出せなくなってしまうこともよく見られることである。ついには常に面接官の顔色をうかがい、相手に合わせようとして、益々しどろもどろになってしまう。
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図4:「ほめる」と「勇気づけ」
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そこで、私が取り組んだのが「勇気づけ面接会」である。「誉める」と「勇気づけ」は、図4に示すとおり異なるが、この面接は、その名のとおり、「勇気づけ」を基本に置いている。面接のねらいは、職業選択を通し、他の人とは異なる自分自身の将来を「表現してみること」で、自己肯定感を醸成することにある。そのため、これまでの減点法によるマイナス評価から、良いところを探してプラスに評価する加点法を用いて、誉めながら勇気づけることをおこなった。
面接には次のような特徴がある。(1)カウンセラーが面接官となる。(2)自分の気持ちを、マニュアルの言葉ではなく、自分らしい言葉で伝える。(3)「良い」「悪い」の評価は行わない。
例え学生が面接で失敗しても、否定的な評価は行わない。先にも述べたように、否定的な評価によって、得るものは少ないからである。ここでは「失敗を肯定的にとらえれば、失敗から得られるものは大きい」ことを教え、学生を単に「良い」「悪い」で評価するのではなく、温かく学生を肯定的に支援することにしている。
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図5:外部組織との協力
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この面接を行うに当たっては、図5に示すとおり、主催者である大学側と外部の支援団体(カウンセラー)との連携が必要となった。そのために両者を繋ぐコーディネーターの役割がたいへん重要であった。幸いにも、外部のキャリアカウンセラーから、若年者の支援に対して積極的な協力が得られたため、学内にこだわらず、広く外部からも支援を得ることができた。このようなキャリアカウンセラー間の新たな協力や交流の拡大は、より良いキャリアサポートプログラムの提供の機会になることであろう。
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