事例1) 食品メーカーのケース
X社は次世代育成支援対策推進法に先駆けて2004年より育児短時間勤務制度や子供看護休暇制度を導入するなど、ワーク・ライフ・バランス施策を推進してきた。同社の短時間正社員制度は、一日あたり2時間30分を上限に30分単位で労働時間を短縮できるものであり、子供が小学校4年生になるまで適用できる(注:子供一人につき4年間の期限付きで、次の子供でリセットされる)。直近の利用状況は一年当たり約100名が取得しており、女性社員の約一割がこの制度を利用している。評価に関しては短時間勤務であってもフルタイム勤務者と全く変わらず、実力評価(コンピテンシー)と成果評価(アウトプット・パフォーマンス)に基づいて、昇進・昇格・賞与を決定している。短時間勤務者は、経理部門など女性が多い職場で取得される傾向が強く、こういった職場では「おたがい様」の感覚が共有されている。導入の効果として、以前は70名近くであった年間の依願退職者が半分以下になった。
事例2) 専門小売店のケース
Y社は生活雑貨専門店の大手であり、パートタイマーやアルバイトを活用して、その担当業務を専門化することによって業務効率性を重視するビジネスモデルを展開しながら店舗拡大を図ってきた。2008年3月より人材の定着と魅力ある会社作りを進めるべく、従来の「正社員」「契約社員」「パートタイム社員」の雇用区分を統合し、「Y社員」として一本化した。社員は職務内容や役割、その遂行に必要な勤務時間とキャリア形成のあり方を規準に2つにグループに分けられる。ひとつはマネジメント職務を通じてキャリアを重ねて幹部となることを目指す、またはバイヤーなどの専門的な職務を目指すグループであり、週32~40時間の勤務時間を自ら選ぶことが出来る。全国転勤を前提としているが、一部の職種には一定期間の地域限定勤務も認められている。もう一つのグループはレジなどの業務を経験しながら業務責任者となるべくキャリアを重ねながらもワーク・ライフ・バランスを図る働き方ができるものであり、週20~40時間の中で勤務を決定することが可能であり、勤務地も限定できる。
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