ある日労働組合の書記長から「最近組合員のKさんが、職場でトラブルがあって悩んでいるようだ。職場異動をしたいと思っているらしいので、話を聴いてもらいたい」と知らせがあり、この書記長が日程調整して、1週間後にKさんが相談室にやってきました。
Kさんは40歳代の男性の方で、深刻な顔をして「上司との関係が嫌になった。職場を変わりたい」と訴えてきました。「少し、現在担当している仕事の様子を教えてください」と促すと、Kさんは「入社以来間接(経理)部門に配属されて様々な事業所を経験してきた。ある事業所の時に今の上司であるT課長と一緒に仕事をしたことがあり、その時にT課長から経理業務改善をするようにとの指示があった。自分なりに考えて、改善のための提案をしてきた。しかし、自分が考えたアイデアをT課長は受け入れてくれなかった・・・。」など、水が流れるようにいっきに話してくれました。その事業所の時には「自分の提案が悪いのか、自分の経験不足などあるから仕方ないな・・・」と自分自身落ち込みはあったが、しかし何とか自分なりに我慢していたそうです。
その後数年が経ち、現在の事業所の経理の職場に異動してきたらまた当時のT課長の部下になりました。さらにT課長は昇進して部長になっていました。Kさん自身は「T部長とは相性が悪いので、いやだな。」との気持ちがわき出ていたけれど、「自分の直属の課長は違う人なので、T部長からの直接の命令など無いだろう」と思うことでなんとか今の職場で仕事をしてきたそうです。
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