労働組合の役員を終えて会社人事部に"キャリアサポートチーム"という、社員のキャリアカウンセリングを中心に行う職場を立ち上げることになりました。欲張りな小生は「メンタルヘルスもキャリアに係わりが深いし、目の前にするクライエントは様々だ。一人ひとりのクライエントに合わせて、様々な引き出し(手法)を用意して対応する」との方向性を定めて、メンタルヘルスに関連した産業医や保健師の皆さんのご理解をいただき、約4ヵ月の準備期間を経て、"キャリアサポートチーム"を立ち上げることができました。
しかし、社員に向けて「キャリア相談に対応します」、「メンタル相談にも対応します」と社内のイントラネットで紹介したり社内報に掲載しても、相談する人が来ることは稀な状態が続きました。「人事部のキャリアコンサルタントであり、"守秘義務"を守りますからご安心ください...」と言ってみたところで、社員としては「会社の不満を社内(人事)の人に話すのには抵抗がある」ということで、相談者は労働組合役員や各地区人事部から紹介されてきた少数の方々となりました。社員の中には、「人事部に話したら取り返しがつかない」と思ってしまう人もいるでしょうから仕方ありませんね。
そのような中"モデル職場のカウンセリング"という名称で、対象となる職場を絞ってその職場の方々にカウンセリングを行うように提案しました。そして、上司の了解をいただき複数の職場で実施することができました。
一般社員から上司へと一人ひとり50分の対面カウンセリングを行うわけですが、おどおどと応接室にくる社員は「人事のキャリアカウンセリングって何をするんですか?」「私は異動になるんですか?」などと発言する方が多く、コチコチの緊張感をほぐすことが最大の課題となりました。そこで、しっかりと相手の話を聞かせていただき、できるだけ社員を理解しようと務めました。そうするとやがて、当初の緊張が解けてきて、「実は...」と言った話を聴くことが出来てきました。
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