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キャリア・コンサルティングの現場からの報告
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2009年10月10日配信
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厳しい環境下でもその中で、人はより良い選択を能動的におこなう
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 株式会社ラポール企画 代表取締役 大小原 利信 《プロフィール》
 さん始めまして、株式会社ラポール企画の大小原 利信(だいこはら としのぶ)と申します。今回から6回(半年)に渡って、原稿を担当させていただくことになりました。「読者の皆さんに参考になる話ができるのか?」との不安もありますが、私自身が経験してきた事例をもとに私自身の考えを述べて行きたいと思います。そして、読者の皆さまからのご意見・ご指摘やご質問も、弊社のホームページを通じてたくさんいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 業内の労働組合役員になった頃から、世の中では"バブル崩壊"という過去に経験したことのない出来事があり、企業ではリストラなど様々な対応が必要になりました。特に私が勤務していた情報通信メーカーの工場部門においては"企業を存続させながら組合員の雇用の場をいかに確保していくか"という難しい課題に向かっていくことになりました。働く組合員にとっては今までは経済成長を背景にした拡大基調の中で"決められた仕事をしっかりと真面目に・・・"との考え方で与えられた仕事をしていました。しかし、生産量の激減した環境下では雇用を守るための事業移管や職種転換、出向や転籍など社員にとっては「突然の出来事であり、受け入れられない」という様々な施策ばかりが出されてきました。95年頃には"雇用のポートフォリオ"という考え方が明確になり、会社の都合で一方的に「この仕事は価値がある/価値が無い」と定義づけして、長年会社のために黙々と働いてきた製造部門の方々には特に厳しい環境となってきました。さらに成果主義賃金制度の導入により労働者には賃金面や処遇面でも厳しさが増してきました。加えて製造業への労働者派遣も解禁されて、工場労働者にとっては益々厳しい環境下におかれてきました。さらなる厳しさとして日本国内での拡大が厳しくなったことにより、工場部門の海外(主に中国)移管の必要性が高まり、"国内の工場労働者の雇用の場をいかに確保するのか"も雇用問題になってきました。

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