| 元来、キャリアには、もう一つの意味がある。それは"人生"や"生き方"という意味である。この意味がキャリア・コンサルタントの意識の中にあれば、仕事のことだけに注目することから放たれることができるだろう。自明のことであるが、仕事は人生を形作る一部である。仕事に関わることと、それ以外のことで、人生は形作られている。人が仕事をする理由は、生きていくため、すなわち自らの人生を過ごしていくためであり、さらにはその人生をより良くする、つまりは自己実現のためだと考えるが、そうだとすれば、仕事に就く、あるいは仕事を続けていく動機は、仕事以外のことから生じると言えるだろう。例え、仕事だけが人生と見えるような人であっても、その仕事を通じての楽しみや歓びを感じているのなら、仕事をする動機は仕事そのものにあるのではないと言えるだろう。
認知を変えることが必要なのは、クライアントだけではない。キャリア・コンサルタントもまた、認知を変える必要があるのだ。このことに気づいた時、初めてそのキャリア・コンサルタントはクライアントのより良き伴走者となることができると言えるのではないだろうか。
今回で、このコラムも最終回となった。最初は1回だけのつもりでお引き受けしたのだが、9回のシリーズとなってしまった。この間、友人や知人から「読んでるよ。」のお言葉を頂き、大きな励みとなった。この場をお借りして、御礼を申し上げたい。
☆参考文献☆
「キャリアカウンセリング入門」 渡辺三枝子、E.L.ハー (ナカニシヤ出版 2001年)
「認知行動療法」 坂野雄二 (日本評論社 2005年)
「やる気!攻略本」 金井壽宏 (ミシマ社 2008年)
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