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2007年1月10日配信
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サテライトオフィス
【1】
早稲田大学 文学部 教授   小杉 正太郎   《プロフィール》
 ウェーデンは世界有数の福祉国家だけあって、職業性ストレス研究もなかなか進んでおり、残念ながらわが国に一歩先駆けた研究状況にある。
 
ウェーデンを代表する職業性ストレス研究の第一人者である心理学者カラセックは、上層部からの業務要求の程度と社員に与えられた裁量権の程度とによって、就業状況をのように「積極的取り組みが可能な状況」、「高緊張状況」、「消極的取り組みしかできない状況」、「低緊張状況」の四つに分けている。
 極的取り組みが可能な状況とは、上層部からの要求は強いが同時に高い裁量権も与えられている就業状況なので、ちょうどヘッドハンティングされたエリート社員が置かれるような状況である。そして、高緊張状況とは強い要求を受けているにもかかわらずほとんど裁量権が与えられていない就業状況なので、吸収合併された社員のような状態。消極的取り組みしかできない状況とは仕事上の要求は少ないが裁量権もほとんどない就業状況に該当するので、肩たたき寸前の窓際族状態である。最後に低緊張状況とは業務要求がほとんどないのに高い裁量権を与えられている状況であるから、好景気企業のワンマン経営者のような状態と言える。
 極的取り組みが可能な状況で就業する社員の意欲はきわめて高く、結果的に優れた成果をあげることは言うまでもない。反対に消極的にしか取り組めない状況の社員は、なんら裁量権を与えられていない受身状態であり、しかも仕事の要求がほとんどないのであるから、極め付きの低稼働社員となる。一方、高緊張就業状況にある社員は、まさにストレスだらけの状況で仕事に従事しなければならないのに反し、低緊張状況の社員は自分の思うままに仕事ができるので、ストレスとは無縁の状態である。
 自分の周囲を観察してほしい。四つの就業状況に当てはまる部署と社員が思い当たるはずだ。  
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