前号 キャリア ナウ 次号

2006年12月10日配信
キャリア ナウ 一覧へ戻る
職場のストレスは人災である
【1】
早稲田大学 文学部 教授   小杉 正太郎   《プロフィール》
 「ストレスがたまってどうも胃の調子が悪いよ」などの会話が日常的になってきた昨今だから、ストレスと聞くと病気を思い出す読者も多いはずだ。確かに強いストレスを受けたり、いつ終わるとも知れない辛く過酷な状況におかれると内分泌系・自律神経系・免疫系の働きが低下してさまざまな疾患を発症する。特に癌・心疾患・糖尿病はストレス三大疾患と言われストレス関連疾患の代表である。
 「上司が無理難題を次々と持ち込むのでうちの課はストレス職場だよ」このフレーズもよく耳にする上司批判の常套(じょうとう)句である。上司の持ち込む難題への有効な対応策がないままじっと耐えていると、苛々(いらいら)感、緊張感が募りついには抑うつ状態に陥ってしまうのだ。こんな職場では社員の元気はなく生産性も低下の一途をたどるだろう。
 トレス研究には二つの大きな領域がある。一つはストレスが契機となって発症する癌、心疾患、糖尿病などの疾患とストレス体験との関係を主に扱う医学的・疫学的ストレス研究の領域、もう一つは職場でのストレス体験と従業員の生産性や心理的健康との関係を明らかにしようとする職業性ストレス研究の領域である。ここでは職業性ストレス研究の最近の成果を紹介しようと思う。
  1/3 続きを読む >>
▲このページのTOPに戻る