「見えない時代」の職場学習
仕事の多くがコンピュータ化され、外から見ている限りは何をしているのか、どのような点に配慮し、どのようなスキルを使っているのか、どのような成果が上がっているのかが、まったく見えない、わからなくなっている。それでなくとも職場のOJT、先輩による指導、相互学習は崩壊したともいわれている。
そうした中で、ウェブ・マニュアル(電子マニュアル)とかオンデマンド・ラーニング(必要な時に、必要な内容をマニュアル学習)とか、さらにはワークプレイス・ラーニング(職場で必要となった内容をその場で学ぶ)とかカタカナ新手法が提示されてきている。確かにマニュアルをウェブ化し、必要な時に必要なマニュアルを検索し、それをチェックして実行すれば、オンデマンド・ラーニングということになる。しかし、問題はマニュアルに書かれていない例外処理や、顧客・状況に応じた対応、さらにはそれらを効率的に処理するノウハウやスキルのマニュアル化までは困難だということである。そしてそれこそが新時代に求められる能力であり、継承・発展させるべきスキルであろう。それに対応できるのは、伝統的な表現で言えばOJT、また最近ではOJDが使われる場合が多くなってきており、それは職場学習にほかならない。 |