キャリア ナウ  

2005年11月10日配信
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「職場学習」重視による学習組織の再構築を
【2】  
明治大学 経営学部 教授   根本 孝
感性・認識・対応の共有化こそ基本
 「見えない仕事、見えない仲間、見えない背中」の中での職場学習をどう進めるのか。「先輩のカン・コツ・ノウハウを盗め」といっても、「見えない行動」からは盗みようがない。ホワイトカラーの業務はますます見えなくなっている。そうなると「見えない行動」の奥にある「認識・判断」の透明化をする必要がある。すなわち、ある状況に対して、どのように感じ、どう認識し、どのように判断して作業を進めたのか、その結果はどうなったのかを明らかにすることが求められる。そして同一ないしは類似の仕事をしている職場の仲間とそれを共有するとともに、よりよい対応方向を検討、共創することが重要となる。
 新たなOJDの課題・方法とは、まさにここにあるように思われる。言い換えれば業務体験の報告会であり、ミーティングにほかならない。それは単なる業績の報告・検討会とは大きく異なる。仕事の結果中心ではなく、仕事のプロセスにおける感性・認識・判断そして成果の報告・検討会である。心と頭の動きを互いに見えるようにして共有化することであり、キャッチフレーズ的にいえば、「ハートとブレインの見える化」による職場学習といえよう。それをカタカナでワークプレイス・ラーニングと呼んでもよいが、カタカナ新語で煙に巻いたり、ごまかすのではなく、新たな職場学習でもよかろう。
 上司が部下の仕事を把握できなくなり、ベテランのノウハウが新時代に必ずしも適合しなくなった今日、一方通行の指導、OJDではなく、職場メンバーが状況に応じた感性・認識・判断等を公開し、それを共有して相互学習し、さらには新たな対応策を模索・共創する場と機会が求められているのである。その場はもちろんWeb上であったり、職場のミーティングの場であっても構わないし、その両用も必要となろう。
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