前号 キャリア形成推進マガジン
キャリアに関する研究者からの提言 【キャリア・ナウ】

2011年3月10日配信
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=== 企業におけるメンタルヘルスについて === 【第四回】
メンタルヘルス予防におけるキャリア・カウンセリング
― 三次予防 ―
【1】
神田東クリニック MPSセンター 臨床心理士 GCDFキャリアカウンセラー 大庭 さよ 《プロフィール》
<復職支援におけるキャリア・カウンセリング>
 メンタルヘルス予防におけるキャリア・カウンセリングにおいて、三次予防すなわち復職支援におけるキャリア・カウンセリングは特に重要である。なぜなら、休復職者は、休職に至ったメンタルヘルス不調に影響したキャリアに関わる問題と休職によって生じた復職後のキャリアの問題に双方を抱えていることとなる。休復職者に対するキャリア・カウンセリングは、休職という転機(トランジッション)に対する援助として捉えることができる。
 シュロスバーグは転機のタイプを「予測していた転機」「予測していなかった転機」「期待していたものが起こらなかった転機」の3つに分けている。休職は、休復職者にとって「予測していなかった転機」であり、彼らの個々の役割、人間関係、日常生活、考え方に大きな影響を与える。彼らのたどる休職から復職への転機のプロセスは、ブリッジスの提唱する「何かが終わる」「ニュートラルゾーン」「何かが始まる」の3段階から構成されるプロセスを援用するとわかりやすい。(図1参照)
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