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2011年2月10日配信
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=== 企業におけるメンタルヘルスについて ===
   【第三回】メンタルヘルス予防におけるキャリア・カウンセリング
【1】
神田東クリニック MPSセンター 臨床心理士 GCDFキャリアカウンセラー 大庭 さよ 《プロフィール》
 今回はメンタルヘルス予防において、キャリア・カウンセリングがどのように寄与しうるかについて述べていく。

<キャリア・カウンセリングとは何か>
 メンタルヘルス予防におけるキャリア・カウンセリングを論じる前に、キャリア・カウンセリングとは何かを明確にしておこう。クライアントの「キャリア」に焦点をあてたカウンセリングをキャリア・カウンセリングと呼ぶが、詳細な定義は以下のとおりである。

(1) 対象とするのは、キャリアに関する問題を抱えた「個人」である。キャリアに関する問題とは、仕事とのマッチングだけではなく、ライフキャリア上の役割に関するすべての問題が含まれる。
(2) キャリア問題に付随する情緒的問題(不安、鬱状態など)や行動上の問題(暴力行為など)も援助の対象となる。
(3) キャリア・カウンセリングの目標は、クライアントが意思決定過程に必要な能力を発達させて自立的に行動し、社会の中でより有能に機能できるようになることである。
(4) キャリア・カウンセリングは、カウンセラーとクライアントの信頼関係・協力関係が前提である。
(5) キャリア・カウンセリングは個人カウンセリング、集団カウンセリングどちらにも応用される。
(6) キャリア・カウンセラーはクライアントの援助のために多様な行動レパート
リー(専門的能力)を有している必要がある。
※〔引用文献〕 大庭さよ・渡辺三枝子 キャリアカウンセリングの課題と展望 現代のエスプリ
          402 177-183/2000年
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