キャリア形成推進マガジン
キャリアに関する研究者からの提言 【キャリア・ナウ】

2010年11月10日配信
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職業能力評価基準の活用について(2)
【2】
中央職業能力開発協会 能力開発支援部評価制度開発課

2 研修の概要
 当協会がこれまでに蓄積してきたキャリア形成に関する研修や講座のノウハウや、職業能力評価基準策定のノウハウを活かして、何よりも「受講者が納得できる」研修となることに心がけました。

 講習の在り方としては、講師が一方的に話をするのではなく、受講者が様々なワークを行う中で、受講者自身が「気づき」を得られることにポイントを置きました。また、製造部門の現場で働いている技能系の方々を対象としているため、研修のカリキュラムの編成については、「軽金属製品製造業」の職業能力評価基準を活用して、製造職種向けの「スキル確認表」を特別に開発しました。

 図1に示すカリキュラムの通り、研修の前半では、受講者自らが「スキル確認表」を作成し、これまでの仕事の振り返りと実務スキルの確認を行いました。後半では、当協会のキャリア形成支援ツールであるCADS&CADI(キャッズ・アンド・キャディ)を活用して、自己のキャリアの見直しや整理、これからのキャリア開発に関する考察や、環境変化に対する認識を深める演習を行いました。実務スキル確認表のサンプルを図2図3に示します。

 研修は1日当たり7時間に及びますので、座学だけでは受講者に疲れが出てきます。そのため、当日の配席はスクール形式ではなく、6~7人程度を1グループとしたグループ形式とし、各グループの構成には、年齢、性別、職種などの偏りがないよう、事業所の方に配慮していただきました。また、講師は、キャリア・コンサルタントや産業カウンセラーの資格を有する当協会の職員が務めました。

 そしてこの研修は、あくまでも自己の振り返りを通じたキャリア形成のきっかけづくり(「気づき」の場の提供)が主目的であり、人事評価につなげるものではありませんので、受講した従業員の方々に、「スキル確認表」など個人情報に関する教材は全て持ち帰っていただきました。

3 研修の結果
 「今後の仕事の進め方について考える機会になった」、「実務スキルの再確認ができた」、「自分の職務に対して何が必要か、何が不足しているのかが明確になった」などの、今後のキャリア形成につながる感想を多くの受講者からいただくことができました。そして、今回の研修が「大変役に立った」または「役に立った」と、9割を超える方々から非常に高い満足度も得られています(詳しくは受講された従業員の方々の感想の一部(図4)をご覧ください)。

 また、受講者の中には、「職種が異なる従業員の間では話をしない」、「自分は他人と話すのが苦手」と言う人が少なくありませんでした。しかし、1日の研修を終えた頃には、「これから様々な部門の人たちと話をしたい」、「勉強会を開いて他の部門の仕事を知りたい」など、自分の意思をグループ内で表明することも見られ、この研修が受講者の意識に様々な変化を生じさせる契機にもなったようです。

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