キャリア形成推進マガジン
キャリア・コンサルティングの現場からの報告

2010年3月10日配信
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日常習慣を見直してみよう
   その発言や行動は相手の"承認欲求"を満たしますか?
【3】
 株式会社ラポール企画 代表取締役 大小原 利信
 に、上司のクライエントに対する関わり方はどうでしょうか。

 さんのように、作業工程で問題が発生すると、「何故?何故?何故?何故?何故?」を繰り返して一方的に原因を追究する職場は珍しくありません。また余裕のない上司は、ミスをした本人に対して「何故?何故?何故?何故?何故?」と問いただします。このような尋問のような原因追及では、ミスをした人は総ての失敗を個人の中に見いだすしかありません。そして、その原因が自分の能力にあるとして、「自分なんか価値がない」。「自分はダメな人間なんだ」と落ち込んでいきます。

 【マズローの欲求の5段階説】をご存知の方も多いと思いますが、マズローは「人間は満たされない欲求があるとそれを充足しようと行動し、低次の欲求が充足されるとより高次の欲求へと段階的に移行する」と説いています。このように、部下の働きを認めることもなく、失敗の原因のみを追求する姿勢では、部下の"承認欲求"を満たすことが全くできません。
 事上のミスが出ることは当たり前なので、ミスを起こさないような工夫をすることが大切です。ことわざでは"過去と他人は変えられない、しかし、自分の将来は変えることができる"と言われています。ミスをしてしまった人に「仕方がない。これからどうする?」「どうしたらミスがないようになるか一緒に考えよう」と声かけができれば、きっと当事者は落ち込むことなくその問題の対処を能動的に行ってくれることでしょう。このような心の余裕を上司はもっていたいものです。
 庭においては、例えテストの結果が90点であっても0点であっても、テストを見せてくれた子供には、「見せてくれてありがとう。お父さんは○○ちゃんが勉強していることを知っているよ」と言ってみてはいかがですか。子供がもっている"承認欲求"を満たすことは大切なことではないでしょうか。
 のような温かい声をかけられ続ければ、部下も子供さんも"承認欲求"が満たされて、より高次な"自己実現欲求"に向かうことができるでしょう。皆さんご自身で、思いどおり行かなかった時に部下や家族に何と言っているかを考えてみましょう。それは相手の"承認欲求"を満たす言葉や態度ですか?

 さんの話に戻しましょう。カウンセリングの終わりに、Kさんは自分自身の今後の方針として「会社の方針で『何故?を5回言おう』とはありますが、部下に対しての発言や態度は少しアレンジしてみます。"承認欲求"を満たすように心がけて、今発生した"問題"を今後の取り組みのために前向きな"課題"にしていけるように見直してみます」と話してくれました。

 年間にわたり、本欄を執筆させていただきましたがいかがでしたでしょうか?私は現在"社会起業家"として企業だけでなく地域の様々な方を対象にして"承認欲求"を満たすためのカウンセリングや研修をさせていただいていますが、全ての方々が自己実現に向かうことを願っています。そして、本欄をご覧いただいた全ての方々に感謝申し上げ、皆様がそれぞれの置かれた職場や役割の中で、"承認欲求"を満たす言葉や声かけを今から意識していただければ幸いです。
 様からのご意見やご質問、感想などはプロフィールに記載しているホームページから、問い合わせフォームで投稿できますので、沢山のアクセスをお待ちしています。

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