| 昔、橋を建設する工事現場があり暑い夏の日にも重い石を組み込む仕事をしている石工がいました。石工Aさんに「あなたは何をしているのですか?」聞いたところ「見ればわかるだろう。橋を作っているんだ。暑いし、石が重くて嫌になってしまう」と答えたそうです。石工Bさんに同じ質問したら「この橋の建設を早く終わらせると、給料が増える」と答えました。次に石工Cさんにも同じ質問をしたところ「この橋が出来ると、川の向こう側とこちら側の町が橋でつながるので、便利になる。やりがいのある仕事をしているんです」と答えたそうです。石工Aさん、Bさん、Cさんを比べるとどの人の仕事が一番出来栄えが良いでしょうか?⇒答えは"Cさん"となりますね。
この話をYさんの営業職場で置き換えると、売り上げ目標や管理数値は上位から降ってきて、その数値に追われてしまっていて、自分達の本来の業務の意味(システム製品を販売することで、銀行や利用者が便利になれる。社会に貢献している業務)を忘れてしまっているかと思われます。上司に必要なスキルは管理数値を部下に押しつけることではなく、その仕事の意味を部下に説明できる"概念化力"が大切で、そして部下一人ひとりの問題に対応した"課題形成力"にあると思います。
Yさんは「これからは毎朝の挨拶は積極的に行ったうえで、部下の困っている話にはしっかりと耳を傾けて、部下を数値だけで追い詰めないようにします。そして、一人ひとりの話をじっくり聞いてから、各人の問題に対応したアドバイスをしていきます。大くくりに話をしても伝わらない可能性があるんですね。」と話してくれました。
さらに「承認欲求を満たすことで、人は自律して自己実現に向かっていける」と"マズローの欲求の5段階説"を説明したことで、リーダーシップの基本である"部下の話を聴く大切さ"を改めて認識してくれました。Yさんは、管理職研修では理解していたつもりでいましたが、実際の職場では研修の成果を活かしきれていなかったようです。
厳しい経済環境の中で部下のマネジメントに戸惑っていらっしゃる管理職の方が多いのではないでしょうか?管理職でなくても思い通りに仕事が進まずに、ぼやいている方は少なくないと思います。このような時には、立ち止まってしっかりと自分自身を見つめ直し、自分を取り巻く環境を再認識することで、新たな課題を見出すことができると思います。一人で考えているとなかなかまとまらなかったり、世の中の変化のスピードについていけませんので、お近くのキャリア・コンサルタントや産業カウンセラーをご活用いただければ幸いです。そこにはきっと、一人では思いもよらなかった"気づき"が得られることでしょう。
さて、「あなたの仕事は何ですか?」と質問された時にあなたはどのような答えを出すでしょうか?社会という尺度(多様な価値観)に合わせて概念化して説明できますか?
|