キャリア・コンサルタントの資格を取得したのは2001年。学生相談のための知識やスキルを身につける場は多々ありましたが、自己のキャリア形成と学生のキャリア支援に役立つことを目的とした人的ネットワークを広げたいという思いが以前からありました。もともと異業種交流会を主催し、参加することも大好きだった私はこの資格を機にキャリアに関連する研究会を自分で立ち上げたいと思いました。ネットワークを作るには自ら立ち上げるのが一番効果的との考えがあったからです。
内容は様々な職業人を月1回程度お呼びしてインタビューする。今の仕事の内容やどうしてその仕事に就いたのか、キャリアの軌跡を聞いていくのです。職業情報やキャリアの軌跡などキャリアマトリックスなどネットを活用すれば簡単に入手できます。しかし生々しい肉声を聞いて初めて伝わってくるゲストの魂のようなものを受け止めることができるのは直接お話を聞くことが一番です。参加者は毎回15名程度、キャリア・コンサルタントもいればゲストで話した人が聞く側にまわることも。次回で65人目の職業人にインタビューすることになります。通常の会合は銀座の貸し会議室を使っていますが、漁師さんの話を聞く時は伊豆半島で定置網漁船に乗りました。ネイルアーティストやリフレクソロジストには現場を見学させていただきました。地方公務員のインタビューでは大阪へ・・・。
様々な職業の知識を生で聞いて学び、一つの職業に就くための方法・手段は、縁と偶然が複雑に絡み合い人それぞれであること、人とのかかわりの中でキャリアは構築されていくことなど多くの気づきがありました。なかでも私にとって一番の財産は、ここで構築されていくネットワークです。この繋がりを通して新しい仕事をするチャンスをもらい、プライベートの交友関係が拡がりました。さらにここで知り合った人達には就職活動をする学生や相談にくるOGのジョブサポーターとして協力していただきました。1、2年生には職業情報提供、職業観の醸成、活動ノウハウなど、OGに対しても転職相談、キャリア構築支援など、様々な場面で講演やワークショップ、個別相談などサポートしていただきました。
学生にとって様々な職業人と直接話せる体験というのは貴重なものです。キャリアは人との関係性のなかで形成される面があるとよく言われます。社会に出る前の学生にとって沢山の職業人と関わることは自他の理解が深まり、インターネットでは手に入らない情報収集ができるなどキャリア形成に有益な体験が多いと思います。人との関わりの場を意図的に作りその体験を一緒に振返ることもスタッフの大切な役割と考えています。
体験の場を広げ時間をかけて学生のキャリア形成を見守り続ける。なかなか思い通りにはいきませんが、「今、ここ」を起点に時空を拡げ、その中でキャリア・コンサルタントとして学生や社会に何ができるか、日々試行錯誤を繰り返しています。 |