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キャリア・コンサルティングの現場からの報告
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2009年5月10日配信
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先が見えない就職戦線、学生支援の具体的手法
【1】
 キャリアカウンセラー 小板橋 孝雄 《プロフィール》
 年生の卒業式も終わり新学期を迎える前の短期大学キャンパス。全体的にみれば教職員が目立ち閑散としており、ゆったりとした空気が流れています。そんな時が止まりそうな、まるで写真のような光景を遮る異質な雰囲気を放つ場所が一ヶ所。それがキャリア支援センター相談室です。30名程度収容可能な部屋は学生で満員。3名のスタッフの予約台帳には午前10:00から18:30までぎっしりと学生の名前。活気というより"どんより"した重い空気が漂っています。
 月上旬に期末試験が終わりようやく春休み。休みとは名ばかりで、授業科目のインターンシップに参加したり、四大生に混じって会社説明会や筆記試験、面接を受けています。厳しい就職戦線を反映して、「連続5社筆記で落ちた」、「エントリーシートが通らない」、「面接すらたどり着けない・・」。また、「説明会がどの回も満席で予約が取れずに会社を受けられない」といった今年特有の現象も起きています。初めて経験する厳しい状況を目の当たりにして「自分は本当にやりたい職種に就けるのだろうか」、「正社員として会社に入れるのだろうか」、「そもそも就職できるの?」。不安、焦り、苛立ちなど行き場の無い重苦しい"気"が部屋全体に蔓延しているのです。
 型的、補助的な業務を中心とした一般職希望が多い本学学生にとって、いよいよ就職活動が本格化する時期。4月になって授業が始まるまでのこの期間、支援スタッフはこの悪い"気"を一手に背負います。精神的にも肉体的にも一番疲れを感じる時期です。
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