| 1. |
多様性に対応できる発想に転換をする:「企業や組織は個人の生きる環境の一部」という発想で、個人の生活の充実を「幸福度(=満足度)」なども考慮する。また、仕事人としての期間が長期化しており、退職後も第2期の仕事を盛り込んだ人生設計が必要な時代となりつつあり、個人に焦点を当てることで、組織人としてだけでなく生涯にわたるその人の多様なライフ・キャリア・デザイン設計の支援も可能となる。 |
| 2. |
関与する対象を拡大する:従業員の組織内活動にのみをとするのではなく、その家族や地域でのコミュニティもサポート対象とし積極的に関わるべきである。 |
| 3. |
人材育成と適応支援の双方向の視点を持つ:人材育成については、組織人としての視点に加え、個人の成長を踏まえた自己成長の育成プログラムを加える(たとえば、キャリア・デザインやアサーション・トレーニング等のほか、子育て、地域活動など)。また、適応支援という視点から個人に焦点を当てたサービスの提供が必要と考える。人材育成は技術やスキルはいわば「武器(Skill=Weapon)」の提供であり、それを使用する人の「体力や心(Human=Mind)」を健全に保つ総合的支援が適応支援として重要である。 |
| 4. |
マネジメント可能な再定義を行う:全人的なヒューマン・サービスを実施するには広領域の関与が必要となってくるが、現在はサポート対象が不明確なため、各活動領域でのサービス可能な役割のアサインとその範囲を明確にすべきである。 |
| 5. |
連携ではなく真の統合を:ヒューマン・サービスを実現する際大きな障害となるのは、組織の縦割り構造と業務分掌にあると思われる。全人的なヒューマン・サービスでは、人事スタッフ(労務・教育)、健康保険スタッフ、社内外相談カウンセラーなど多くの部門やスタッフがひとりの人の支援に関与する。円滑で柔軟な支援のためには各部門の連携よりもひとつの部門(リエゾン・オフィス)に統合されることが合理的である。ライン(上司-部下という縦の関係)に捕らわれない個人面談をベースにした活動を遂行するためにキャリア・サポートルーム、キャリア・デザイン・ルーム(従来のカウンセリング・ルームとは異なる)、キャリア・サポートセンター等と呼ばれる組織を既存部門から独立させて設置し、リエゾン・パーソンを配置すると効果的な活動ができるのではないだろうか。 |
実際には、現実的な多くの問題があり全人的なヒューマン・サービスの実現はこれからですが、当面は人材育成と適応支援の2つの視点から組織におけるカウンセリングのあり方について考えていきたいと思っています。