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キャリア・コンサルティングの現場からの報告
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2009年1月10日配信
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カウンセリングルームから見えるキャリアの諸相
 【第4回】カウンセリング観について
【1】
 財団法人関西カウンセリングセンター認定
  上級心理臨床カウンセラー・キャリアカウンセラー 
横山 慶一 《プロフィール》  
今までを振り返って...

 私がカウンセリングの世界を知ったのは1985年頃のことです。東京でカウンセリングの勉強を始めたのですが、そこには友田不二男という先生がおられて、特徴のある勉強会を開いており一挙にこの世界にひきずりこまれました。その時の経験が現在の私のアイデンティティのかなりの部分を作っているように思います。その後、大きな転機は10年ごとに訪れています。
 1995年には、大阪でカウンセラーのインターン実習をやっていました。阪神淡路大震災のあった年です。ボランティアであちこち走り回り、被災された多くの方々と話をしたり、避難所の子どもたちと遊びました。被災者の皆さんからは「生きるたくましさ」を教えられるとともに、子どもたちからは全身で真剣に触れ合うことで人が本当に変わっていくのだなということを実感させられ、閉ざされたルームでの言葉だけの関わりではなく「本当の関わり」を経験しました。
 またボランティアを通じて、同じ考えの方々との出会いもあり、自分自身に厚みと広がり持てるようになったと思います。
 2005年にはキャリア・コンサルタントの資格を取得し、活動の領域が一挙に広がりました。もともと自分の中ではカウンセリングの世界とキャリア(会社や企業など仕事に関する領域)の世界は別物で、「仕事は仕事」「カウンセリングは自分のための勉強」だったのですが、キャリア・コンサルタントの視点を持つことで、両者が上手く融合して、自分自身の仕事としてのカウンセリングという意味付けができるようになりました。

 この20年程を振り返ってみると、多くの人との出会いやふれあいがあり、人の輪もひろがりました。本当にこの世界を知って良かったなぁと思います。

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