しかし、労働者の属性や生活のスタイルは大きく変化してきた。
人口構造が変化し、急速な高齢化が進んでいる。高齢期の就業ニーズは、本人の健康状態や子どもの成長段階、就労以外の収入基盤などと関連して多様である。どのような形でいつまで働きたいのか、といった就業ニーズの分散は高齢者になるほど大きい。
女性労働者の増加も大きな変化である。働く女性の増加は、世帯形態を変化させ、一家に稼ぎ手が2人という世帯が増加した。それは、専業主婦のいる男性正規労働者をモデルにした雇用システムの適用範囲が大幅に縮小してきたことを意味する。
若者の意識の変化も大きい。「働く」ことに求めるものは、収入、やりがい、他の生活領域とのバランスなど、個人によって重点の置き方が異なっている。豊かな時代に育った世代は、上の世代と明らかに異なる就業志向性をもっている。
現在、男性も含めて多くの働く人が、もっと生活に軸足を置いた働き方をしたいと思っている。欧米でワーク・ライフ・バランスの取組が進んできたのは、まさしく働く人の生活や意識が変化したからなのである。仕事も重要だが自分の生活も重視したい、賃金や昇進よりも家族との時間を大切にしたい、と考える人が増え、組織も働く人の変化に対応しなければ人材が流出するという課題に直面し、こうした変化に企業は対応が求められる時代となったといえる。
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