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キャリアに関する研究者からの提言 【キャリア・ナウ】
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2008年6月10日配信
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自立性と価値コミットメント
【1】
産業能率大学 経営学部 教授  城戸 康彰 《プロフィール》
 「人材」にアプローチするには、必要とされる知識やスキル、育成方法、キャリア開発などいろいろな観点がある。ここでは、現在日本のビジネスの世界で求められているものとの関係で人材を捉えてみたい。下の図にあるように、ビジネスのニーズは、集約すると「価値創造」といえるのではなかろうか。かつてドラッカーは、企業の目標は「顧客の創造」といったが、顧客に新たな価値を創造し提供することと解釈すれば、価値創造は何も今のビジネスニーズに限ったこととはいえないであろう。そうは言っても、欧米企業との競争状況や、アジアにおいて日本が技術的に先頭集団に位置し続けるといったことを考えると、次々に新製品や新サービスを生み出することは今や避けられない。また、「ソリューション」の提供という言葉がよく使われるが、顧客の課題を解決する策を創りあげ提供すること、これも(顧客)価値の創造といえ、対顧客関係では重要なテーマであろう。


 は、この価値創造につながる人材の要件とは何であろうか。「自立性」、「価値コミットメント」、「内発的動機づけ」の3つをあげたい。これらが備わっている、あるいは強いと「価値創造」性が高まるということだ。

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