キャリア形成推進マガジン
キャリア・コンサルティングの現場からの報告

2008年10月10日配信
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カウンセリングルームから見えるキャリアの諸相
 【第1回】 カウンセリング場面にあらわれるキャリアの局面
【2】
財団法人関西カウンセリングセンター認定 上級心理臨床カウンセラー・キャリアカウンセラー 横山 慶一
キャリア・カウンセリング

 このような変化の中で、私がカウンセリングを行う際意識していることが2点あります。
 1点目は、個人にのみ焦点を当てても十分な支援が難しくなっていること。環境(社会や組織)の中でクライエントがどのような位置にいて、周囲とどのようにかかわっているのかバックグラウンドの理解が必須です。「個」に対する自己成長、発達論は重要ですが、周囲との相互作用を考慮しないカウンセリングは今や通用しなくなりつつあるものと感じます。
 2点目は、クライエントの成育歴という過去を分析するのではなく、今対峙している問題をどのように解決していくのか未来志向的な考え方がもっと必要であるという点。問題がクライエントの人生の中でどのような意味を持ち、クライエント自身が将来に向けて、最も納得できる答を出せるように支援していくことが重要であるということ。
 カウンセリングに「キャリア」の概念が持ち込まれることで、クライエントに対する関わり方が拡がり、広い視野からより有効な支援を行うことができるようになってきたと思います。
 「キャリア」を単なる職業的な意味合いではなく「ライフキャリア」としてとらえ、クライエントの将来に向ってキャリアパスを一緒に考えながら、問題を解決していくアプローチはカウンセラーもキャリア・コンサルタントも同じだと思います。
 ちょうどこの記事が配信される頃には、キャリア・コンサルタントの国家資格化(技能検定)の要領が公表されていると思いますが、カウンセラーにとっては「キャリアの視点を取り込むこと」、キャリア・コンサルタントは「カウンセリング的な傾聴力の向上とクライエントの自己成長を見守る視点」を持つことで、双方ともより高い専門性を発揮していくべきだと考えます。

 今回は、カウンセリングルームにおいても「キャリア」という概念がクライエントを理解し、支援していくキーワードになりつつあることをお話させていただきました。

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