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キャリア・コンサルティングの現場からの報告
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2008年10月10日配信
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カウンセリングルームから見えるキャリアの諸相
 【第1回】 カウンセリング場面にあらわれるキャリアの局面
【1】
 財団法人関西カウンセリングセンター認定
  上級心理臨床カウンセラー・キャリアカウンセラー 
横山 慶一 《プロフィール》  
 始めまして、横山です。これから6回にわたりキャリア形成推進マガジンの「キャリア・コンサルティングの現場からの報告」を担当させていただくこととなりました。
 私のことをご存知の方はきっと今の職場のこと、つまり人事部がらみのことを書くだろうと思われていたことでしょう。ただ、私が人事部に配属になったのは昨年4月のこと、まだまだ若輩者です。読者の皆様の中には人事キャリアを積まれた大ベテランの方々が数多くいらっしゃってすばらしいご意見を披瀝されていますので、今回は関西カウンセリングセンターでのカウンセリングの経験をもとに、カウンセラーの視点からキャリア・コンサルティングに関するお話ができればと思っています。

10年前と今

 修行時代を含めると20年程カウンセリングルームでの面談に係わってきました。職場への不適応や、引きこもり等の相談は今でも多いですが、対人関係の問題としてとらえられる点は今も昔もそう変わっていないと思います。ただし、カウンセラーが取り組む姿勢やとらえ方がかなり変化してきました。
 たとえば、以前はカウンセリングルームにおいては、学校に行けない子や会社に行けない人(クライエント:相談にきた人、来談者)に対して、その人自身の対人関係におけるメンタリティの脆弱性を心理学的な手法を用いて強化・支援することが中心でした。しかし、最近では、それだけではなくクライエントを取り巻く環境・組織の構造、組織内での人間関係・集団的な力動などを考慮して、より全体的な視点からのアプローチが求められるようになっています。また、迅速性や結果・成果を求める傾向に応えるため、ブリーフカウンセリングなど、短期間でも個人の自己成長に対して目に見える効果が期待できるようなカウンセリングスタイルが注目されています。

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