キャリア形成推進マガジン
キャリア・コンサルティングの現場からの報告

2008年4月10日配信
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私の若年者就労支援のあり方(1)
【2】
 こうべ若者サポートステーション / こうべ若者自立塾 / 若者しごと倶楽部サテライト阪神
 
キャリア・コンサルタント 瀬谷 俊宏  
相談者の訴え
 私は若年者の就労を目的とする支援機関でコンサルティングをしていますので、精神疾患罹患者を含め大抵の相談者は、初回来所時には「適職が分かりません・・・」、「自分に合う仕事を見つけたい・・・」、「転職したい・・・」と訴える相談が大半です。そして彼らは「一体どうしたらいいんでしょうか」と言葉や表情で、私に訴えてきます。相談者のペースに寄り添って彼らの話に耳を傾けていると、「働きたいけど・・・仕事をした経験がない、職歴が短い、職を転々としている、うつ病で通院している、こんな自分は雇ってくれない、人間関係が苦手なこんな自分はうまくやっていけるか自信がない」とためらいがちに語り出します。
 さらに、相談者は「それでも働かないといけない、周りの友達、同年代の人は働いているし、生活の事もあるし親に迷惑掛けられないし・・・」と自らに言い聞かせながらも、「働けないことを考えるのは、こんなに辛いのに・・・」と働きたくても一歩踏み出せない「この苦さそのもの」を周囲の人に理解してもらえない辛さを、時には涙を流しながらポツリポツリと私に語りかけてきます。
 「働きたいけど働けない、それでも働かないといけない・・・」そのような思考に囚われ、堂々巡りを繰り返した挙句に、さらに自らを追い込んで身動きが取れなくなってしまっています。

相談者の背景
 相談者の多くは、もともと真面目な存在であり、「どうしたらいいんでしょうか」「働かなければならない」と来所してくること自体を考えれば、彼らは自らと向き合うエネルギーを持っていると思います。ただ、今はそのエネルギーがうまく機能せず消極的な方向だったり、「ねばならない」思考に囚われ過ぎてしまい冷静な判断を鈍らせて、身動きがとれない状態に陥っているのです。
 このような状態にある相談者は、今置かれている自分の状況を客観視し自己理解や職業理解というコンサルティングプロセスを辿ることができにくい状態にあります。彼らは社会や周囲が過度に期待しているかのようなイメージを持っており、律儀にもそれらの要請に応えなければならないと思い込み、必要以上に自分に試練を課してしまいます。
 彼らの多くは、様々な過去の失敗体験を通して自己否定感を見事に確立させ「自分はダメなのだ」と信じてやまない一面を持っています。彼らは自らの存在価値を他者のそれと照らし合わせて 例えば、-「私と同年代の人は社会人なのに、私は働いていないし、社会人じゃない」と考え「社会人である皆はOK、社会人でない私はNOT OK」-というように優劣をつけてしまい「(理想とする他者のように)そうなりたくてもなれない自分」を直視し、益々自己否定感を強めていきます。

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