| キャリア形成推進マガジン キャリアに関する研究者からの提言 【キャリア・ナウ】 |
◆ 2007年10月10日配信 ◆ |
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| 競争力を生み出す組織内プロフェッショナル === 第二回 === |
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| ヨコの専門性を担う組織内プロフェッショナル その落とし穴とは、専門性には2種類あり、外部で賄える専門性はその一つに過ぎない点を見落しやすいことである。社会的に確立していない、内部の専門性こそ企業競争力の基盤となり、真に高い価値を生み出している。本稿では、外部で社会的に確立している専門性を「タテの専門性」とし、企業内での業務遂行に必要な専門性を「ヨコの専門性」として区別したい。外部専門家は従来からの専門性「タテの専門性」だけを扱える専門家であり、組織内プロフェッショナルはタテに加え、「ヨコの専門性」を担える人材と言える。 雇用ポートフォリオのように、「タテの専門性」だけを専門性と認識すると、専門的な仕事は外部の専門家でも内部人材と同じかそれ以上にできると判断されやすい。そこで経費削減が求められると、仕事は簡単に外部に移管されてしまう。雇用ポートフォリオを実現させることで短期的な利益は改善されるが、中長期的な組織能力や人材育成力は弱り、結局は組織の競争力を低下させることになる。 米国メリーランド大学のレパック教授ら(Lepak and Snell,1999)は、人材アーキテクチャーという雇用の類型を示し、企業にとって独自の価値を持つ人材には内部育成が必要なことを主張している。外部から調達する人材が成果をあげるのは、ITプロのように専門性が確立された職務に限定される。従って、外部調達が有効となる職務はごくわずかで、企業の多くの分野の職務には内部育成した人材が不可欠ということになる。 雇用ポートフォリオでの高度専門能力活用型人材のような外部専門家、いわゆる「タテの専門家」だけでは企業の職務は遂行できない。そこで外部で確立されない専門性、すなわち「ヨコの専門性」を組織内プロフェッショナルが担うためには、長期蓄積能力活用型人材として育成される必要がある。 筆者は職務の専門性と資格について、国内でIT企業のヒアリングを続けているが、幸い多くの企業では内部人材を重視し、長期的な育成に着実に取り組んでいた。マスコミ等の喧伝とは異なり、日本企業の人材雇用や育成の現場では、はるかに安定した取り組みがなされているように思えた。 ☆ 宮下先生には、『競争力を生み出す組織内プロフェッショナル』をテーマに11月号もご執筆いただく予定です |
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