| 3.職業適性を考える3つの視点
職業適性を考えるには、次の3つの視点からの整理が大切である。
(1)特定の職業や職務を具体的な適性の対象としていること
これは仕事と個人との適合であるので、たとえば、営業の仕事に必要な適性、介護の仕事に必要な適性、医薬品の開発に必要な適性、システムエンジニアに必要な適性、パイロットに必要な適性、などなど、それぞれの仕事に必要な要件は異なるので(無論、共通の基礎的な要件もあるが)、それぞれに対応した各個人の適性の要件を具体的に把握する必要がある。
(2)将来を予測する現在の状態であること
適性とは、将来ある仕事を遂行するのに必要な要件を習得する現在の可能性を示している。学生が就職する際に、将来の適性を推測して判断(学生本人も、採用する側も)する場合が代表的な状況であろう。実際どの程度適しているのかは、何年か仕事に就いた結果から判断することが妥当であろう。しかし、本人にとっても、雇用側にとっても、リスクが大きい。現在どの程度できるかは、アチーブメント(achievement)といい、スーパーの技量に相当する。
(3)固定的なものではなく開発できるものとして考えること
適性という言葉から生得的(生まれながら)な才能とイメージしやすい。しかし、よい仕事の機会に巡り合うことにより、上司・先輩に励まされ、経験から学ぶことにより、なによりも、本人自身の努力によって、仕事に必要な能力が開花したならば、結果として適性があったということになる。ある時点での準備状態から将来を予測することではあるが、それは変化する可能性のない決定的な結論ではない。適性の推測は、育成の可能性との関連で考える必要がある。
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