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2006年3月10日配信
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仕事の定着は、入社後数年が勝負である
=== できるとはどういうことか ===
【1】
東京女学館大学 国際教養学部 教授   西山 昭彦   《プロフィール》
 回のヒューマン・スキルに続いて、第二に必要なコンセプチュアル・スキルは、問題を発見、分析、解決していく能力である。ここでは、より幅広く、深く考えることができれば、いい成果がでる。それには、原因をあれこれ考えたり、結果を予測したりする訓練がいい。人は人生でプラン・ドゥー・シーをしている。ある心理学の教授によれば、このスタイルは10代で固まってしまうという。しかし、私は訓練で相当伸びると思う。成果がみえやすい趣味で見ると、釣りでも、パチンコでも、競馬でも人はこのサイクルを回す。好きなことでやっていることを仕事でもやるかどうかである。

 、企業が必要な人は、上から命じられたことをきちんとやる人ではない。そういう人はいくらでもいる。自分から何か企画し、提案し、実行していく人である。そういう人材は、採用時も、入った後も会社が評価する。

 規の企画は難しいというが、日常生活の中からいくらでも浮かんでくる。人々の不平や不満を解決するのが新規ビジネスである。例えば、観光地の駅構内や近辺のお土産屋で、車付きのゴロゴロ転がすバッグを引いて歩いている人が多い。通行のじゃまで、本人だってどこかに預けて動きたい。買物を終えた後、駅の構内で荷物をピックアップすることができたらどんなに便利かと思う。駅前のお土産屋が学生アルバイトを使ってこの赤帽をやったら、買物客は増えるだろう。

 規事業、新規分野といっても、その会社にとっての新規であって、世の中では99%はどこかで実行されている。だから、新規事業は、卓上で考えるのではなくて、その分野で実施しているところへ行って学ぶことが一番だ。

 はトップ営業マンの調査をずっとやっている。「トップ営業マンについてノウハウを教えてください」といろいろな会社、人を回っているが、断られるのは1、2割で、後の8、9割は歓迎して、包み隠さず教えてくれる。もちろん、中には「それをしゃべってしまったら、ほかの人がみんなマネをして自分の成績が落ちてしまうから言いません」とはっきり言ってくれた方もいたが、それはその人が教えてくれた十のうちの一にすぎない。
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