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◆ 2005年7月10日配信 ◆ |
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| 熟練した信頼されるキャリア・コンサルタントとは |
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前回はキャリア・コンサルティングの質を高めるために、どのようなことを意識したらよいのかをキャリア・コンサルタントとクライアント(相談者)双方の立場から述べてみた。今回は、どのようなキャリア・コンサルタントが、熟練者として信頼されるのかを考えてみよう。一体、安心して相談したいと思えるようなキャリア・コンサルタントとはどのような人であろうか。どのような姿勢や能力があるのか。どのようなことがきっかけで信頼されるようになったのか。そうでない人とどこが違うのであろうか。 こうしたことを解明するために、私も参加した「熟練キャリア・コンサルタント検討委員会」では、各分野で活躍している熟練キャリア・コンサルタント8人にヒヤリングを行った。その結果から明らかになったことを紹介してみたい。 支援者の役割を認識 熟練した信頼されるキャリア・コンサルタントに共通して見られる意識は、支援者としての立場をよく理解しているということである。クライアントとの適切な関係を築くために、自分自身の立場を常にわきまえているのが特徴である。自分の能力を過信したり、過去の経験を過大に評価することがなく、自己の限界についてもよく分かっている。その基本は人間尊重であり、個人の主体性を損なうようなことは極力排除しようとする。 キャリア・コンサルタントとしてのアイデンティティを明確にしているために、自分のスタンスがぶれたりするようなことがない。その反面、活動の場面による自らの立場をよく認識しており、カウンセラーとして関わるのかコンサルタントとして関わるのかは、その「場」の状況によって柔軟に切り替えることも行っている。 専門家としての高い志を持っていると同時に、キャリア支援を行う上での知識やノウハウを習得していることはもちろんのこと、それを実際の場面で応用しながら、自分なりの理論構築を行っている。そして、一つの理論に凝り固まって狭い視野に陥ることなく、"どうしたらクライアントのためになるのか"という視点から貪欲に学ぼうとしているのである。そのために、他のキャリア・コンサルタントのやり方からも積極的に学ぼうとする姿勢を持っている。 クライアント中心の姿勢 心理カウンセリングではクライアント・センタードを重視するが、キャリア・コンサルティングにおいてもこの考え方は当てはまる。熟練した信頼されるキャリア・コンサルタントはクライアント中心の基本的なスタンスを有していた。 それは相手の人格を尊重し全面的に信頼していることである。答えは相談者本人の中にあり、やがては、本人が自らの力で問題を解決していくのだということを心から信じている。 常に相手に寄り添っていこうとする姿勢を崩さないために、相手の言ったことを明確に言語化し、相手の真意を誤解している場合はすぐに相手に合わせて修正をしようとする。傾聴をすることによって、クライアントの主訴をよく理解しようとしている。そのために、本当に話したいことは何なのかについて、相手の価値観に合わせて焦点を絞っていくことができるのである。 |
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