キャリア ナウ  

2005年7月10日配信
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熟練した信頼されるキャリア・コンサルタントとは
【2】
産能短期大学 教授   小野 紘昭
常に自分を客観視
 多くの者が、自分にとっての「師」となるべき人の存在を挙げたこととも共通している。師からスーパービジョンを定期的に受けることによって、自分を謙虚にふり返るという地道な努力を重ねている。
 そして、特徴的であったことは、自分がキャリア・コンサルティングをしている時に、もう一人の自分が「客観的」にそれを眺めていることがよくあるというエピソードである。このことは何人かの口から聞くことができた。こうしたメタ認知の有無は、自分のキャリア・コンサルティングを良質なものに組み立てる上で、重要なキーポイントになっているものと思われる。
 こうした自己へのふり返りを通して、自分を客観視し何が問題であったのかを明確にすることができる。そのことを通して、自分のキャリア・コンサルティングが独善的になるのを防ぐことになるのである。慢心せず常に継続して学ぶ努力を怠らないことは、キャリア・コンサルタントとして信頼される基本姿勢を示唆している。

一皮むけた時に
 今までぎこちなく、自信なさそうにキャリア・コンサルティングを行っていた者が、言わばツボを押さえたようにできるようになる。
 キャリア・コンサルタントとして「一皮むけた」瞬間である。それは、一体どのような時であろうか。多くの者は、それは大体3年目ぐらいに訪れたと言っている。色々な失敗を繰り返す中で、「判断はクライアントがすべきもの」と思えるようになり、「自分だけでは解決できない問題もある」と悟った時、「自己満足してはいけない」と戒められるようになった時、「自分もクライアントによって成長しているな」と実感できた時、「良いメンターに巡り会えた」時などを挙げる者が多かった。
 本人も迷い試行錯誤し、時には自信を喪失する中で、もがき苦しんだ後にフーッと肩の力が抜けるようになる。自分のできる範囲内でクライアントの主体的な意思決定を支援できると実感できた時に、もう1ランク上の良質なキャリア・コンサルティングができるようになるようである。

(詳しくは中央職業能力開発協会「熟練キャリア・コンサルタントに係る調査研究」報告書 平成17年3月を参照されたい)
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