| この男性は、まさにキャリア・アダプタビリティを持った方だと思います。「今さら・・・」と尻込みするのではなく「探求してみる」、「若い人からも学ぶ」、「変化を楽しむ」そんな気持ちが必要なのです。私も、44歳で大学生になった当初は戸惑うことばかりでした。周りの社会人学生の中には、すんなり現役学生の若い人の輪に入っている人もいましたが、私は中々その環境に馴染めませんでした。「今さら」とか「話が合うはずがない」など、固定概念に縛られていたのだと思います。しかし、ゼミに入り一人ひとりの学生と付き合うようになり、議論を重ねるうちに気づかされることや学ぶことが出てきたのです。たぶん、彼らと付き合うことで柔軟性や新しい視点を持てるようになったのだと思います。また、間近で彼らの成長を見ることができたことは、キャリア・カウンセラーとしての得がたい経験となりました。幾つになってもどんな環境でも、自分に学ぶ気持ちがあれば、成長できるのだと思います。
もう1つ「キャリア・アダプタビリティ」に関連して、最近とても大切だと思うキーワードがあります。それは、「他責と自責」です。他責とは何か問題がおきたとき、自分以外の責任にしてしまうことで、たとえば「環境が悪い」、「上司が悪い」、「景気が悪い」と周りのせいにしてしまうことです。最近よく企業の方から「教えてもらっていないからできない」という新入社員が多いと聞きます。教えてもらっていないなら、教えてもらえばいいのに、受身で行動をおこさない。他責で物事を捉えていると、主体的な行動をおこさなくなり、自分の成長を阻害してしまいます。しかし、これは若者だけに見られる思考傾向ではなく、われわれ大人もついつい陥ってしまう思考ではないでしょうか?他責で考えた方が楽だし、自分が傷づかなくて済むのです。中年期を過ぎても人間は生涯成長できるのだから、他責ではなく自責で考えいく、そうすることで適応できたり、柔軟になれたりすると思います。
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