| その当時はもちろん、カウンセリングの勉強も、キャリアの勉強もしていませんから、「中年期の危機」などとは分からず、自分だけがもがき苦しんでいるのだと思っていました。何も考えず、会社が引いてくれたレールの上を、目の前のことを必死で取り組んでいた24年。しかし、現場から退くことになり、「自分はもう必要とされていないのか」、「自分の人生はこれでよかったのか?」という自問自答を繰り返していました。「こんな状態で続けるより何か始めよう」という気持ちと「もう今さら遅い、そんなに若くない」という葛藤の末、カウンセリングという違う道を選択しました。
違う道を選択した大きな要因は、先の上司からの忠告です。私はこのまま会社に守られ続けていたら、肩書きをなくしたときに何もない自分しか残らない。「以前○○会社で役員をしていました」という過去の肩書きではなく、「私はこういう人間です」と胸をはって言える何かを持ちたい、自分の力が外の世界でどれだけ通用するのか試してみたいと考えたのです。そして、カウンセリングの勉強や大学でのキャリアの勉強に繋がっていったのです。
色々な方から、大学で勉強してみたい、学び直しをしてみたいと相談を受けます。でもみなさん、大変そうとか、続かないのではという不安をお持ちです。日本では欧米諸国と比較して、リカレント教育が遅れているといわれていますが、未知の世界へ一歩を踏み出すことがなかなか出来ないだけで、潜在的なニーズは高いと思います。私も、勢いで大学への入学を決めたまでは良かったのですが、入学金振込みの期日ギリギリまで迷っていたぐらいです。
でも、このような学び直しは、水車と同じだと思います。最初、回り始めるときは、大きな力が必要ですが、一度回り始めると勢いがついて、どんどん意欲や好奇心に後押しされていくのだと思います。「ワーク・ライフ・バランス」という言葉は一般的になってきましたが、私の恩師である、桐村晋次教授は「ワーク・ライフ・スタディ・バランス」が必要だといわれています。
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