キャリア形成推進マガジン
キャリア・コンサルティングの現場からの報告

2010年2月10日配信
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人は強制されると拒否するが、
   自分自身で感じると積極的な行動に移せる
【2】
 株式会社ラポール企画 代表取締役 大小原 利信
 々な苦労話を自由に話している中で、少しの間をおいてからTさんは呟くように語り始めました。「自分が現在の開発業務に集中していても、一人だけの力で終わってしまう。自分の仕事を部下に任せて、自分はもう少し高い目線で世の中の動向を確認しながら商品開発にかかわった方が、結果として会社のためになるかもしれない」。そして「昨日の研修の話が今やっと理解できたというか、腹に収まった気がします。カウンセリングってこんな感じなんですね。スッキリしました」と目を輝かせてくれました。

 ウンセリングの終わりに、Tさんは自ら行うこととして、(1)自分は今の仕事をなるべく部下に任せるようにする。(2)そのためには、部下への業務に関する説明を十分に行い、一人ひとりに課題を持って業務に向かってもらう。(3)自分は新商品動向や最新技術を意識するために学会や展示会など積極的に参加する・・・などと、自分自身で今後の課題を明確に認識して、さらに今後の行動に向かう道筋を語ってくれました。

 のシステムカウンセリングの対象者70人の中には、Tさんのように『ノミネート研修』に否定的な違和感をもっている方が数人いましたが、それぞれがキャリアカウンセリングの中で、研修を肯定的にとらえるように変わりました。すべてのカウンセリング終了後には、この企業に対して、(1)相手の話をしっかり聴く(キーボードを打ちながら・・・などの"ながら聴き"をしない)。(2)ミーティングは時間を決めて短時間で行う。(3)個人の課題を明確にする。(4)業務集中力を高める(メンタルヘルス対策も含めて)ために自律訓練法を学習する・・・などの提起をしました。

 に技術者の多い職場の中では、Tさんのような『管理職を希望しない人』は少なくないことと思います。例え話しでは失礼かと思いますが、ノーベル化学賞を受賞した"島津製作所の田中さんタイプ"のように、「自分はその研究に没頭したい」というのは研究者の傾向だと思われます。しかし会社組織は個人の都合だけでは運営できませんので、マネジメントを行う立場の人も必要とされています。この必要なマネジメント能力を養成するために、1年をかけて行われる『ノミネート研修』が、そもそも受講者の意志と異なっていたり、その内容が管理者側の一方的なものになってしまっていては、講習の効果があまり期待できません。

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